メイヨークリニック感染症科 松尾貴公
4ヶ月前
メイヨークリニック感染症科 松尾貴公先生による新連載です。 第5回は 「時間を守る3つのメリット」 についてご解説いただきます。
時間を守ることは、 社会人として最も重要なスキルの1つです。 幼い頃から 「時間を守りなさい」 とよく言われてきた方も多いのではないでしょうか。
しかし、 社会人としての時間の価値は、 単に遅刻しないことだけにとどまりません。 時間を守ることは、 相手の時間を大切にし、 信頼関係を構築するために重要なスキルです。
「少しくらい遅れてもいいや」 と思う瞬間は誰にでもあります。 しかし、 その小さな遅れにより信頼を損なうリスクがあります。 逆に、 日頃から時間を大切にする心がけを持つことで、 相手から 「この人は相手の時間を大切にしている」 と信頼され、 良いチャンスが回ってくる可能性があります。
「時間に遅れる」 という行為には、 さまざまな理由が考えられますが、 5分の遅刻と1時間の遅刻、 どちらがより重いでしょうか?
5分の遅刻は、 個人のタイムマネジメントの問題によることが多く、 回避可能な場合があります。 一方で、 1時間の遅刻は、 何か特別な事情や理由がある可能性が高く、 個人の問題だけではないかもしれません。
しかし、 あなたの行動を5分、 10分早めて計画できなかったかどうかを今一度振り返ってみてください。 多少の予定外のことも想定して、 余裕をもったスケジュール管理を心がけることでこれらの不測の事態を回避できるケースもあるかもしれません。
「たった5分」 と思うかもしれませんが、 例えばあなたが会議に5分遅刻したことで、 最初の5分間の内容を再度要約する必要が生じるかもしれません。 その結果、 終了時刻が5分延び、 全体に迷惑がかかる可能性があります。 仮に10人が参加している会議であれば、 各自の5分を奪うことになり、 合計で5分×10人=50分もの時間を奪うことになります。 このように、 遅刻は周囲の迷惑になる可能性があるということを心に留めておきましょう。
遅刻は 「常習化してしまう」 ということも大きな特徴です。 研修医や若いうちは指導医から指摘されることもあると思いますが、 立場が上になればなるほど誰も注意してくれなくなります。
時間にルーズな人には、 重要な仕事が回ってこない可能性があり、 結果として良いチャンスも逃してしまうかもしれません。
「時間を守る」 ことは、 開始時刻を守るだけでなく、 終了時刻を守ることも含まれます。
例えば、 あなたが勉強会を企画してレクチャーを行う場合、 気合いが入るあまり大幅に予定時間を過ぎてしまうこともあるかもしれません。 あなたは良かれと思っていても、 参加者にとっては迷惑で逆効果になることがしばしばあります。
勉強会の後に予定がある参加者もいるため、 相手の時間を大事にし、 終了時刻をきっちり守るように心がけましょう。 「時間になったから終わろう」 と言えるのは、 仕切っている上の立場にいる人だけなのです。
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本書では自分が失敗から学んできた社会人としての院内・院外で必要なマナーや、 医師としての心得、 自己成長を成し遂げていくために必要な仕事術を解説していきます。 特に若手医師の皆さんにこれらを少しでも早い段階で共有することにより、 医師としてのキャリアを成功させるためのお手伝いが少しでもできれば幸いです。
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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