海外ジャーナルクラブ
4日前

Lazarらは、 無症候性で高度 (70%以上) の頸動脈狭窄を有する患者を対象に、 強化内科治療への頸動脈ステント留置術 (CAS) または頸動脈内膜剥離術 (CEA) の上乗せ効果を検証した無作為化比較試験CREST-2の事前に規定された副次評価項目である認知機能について解析。 その結果、 強化内科治療単独と比べて強化内科治療へのCASまたはCEAの上乗せによる4年時点の認知機能の有意な改善は示されなかった。 試験結果はJAMA誌に発表された。
電話による評価のため認知機能検査が限定的で、 視空間認知や一部の実行機能を評価できませんでした。
【JAMA】無症候性頸動脈狭窄、 血行再建による認知機能への治療効果差は示されず
無症候性頸動脈狭窄は、 認知機能の低下と関連することが報告されている。 しかし、 頸動脈血行再建術が認知機能の改善をもたらすかどうかは明らかにされていない。
CREST-2は、 無症候性の高度 (70%以上) 頸動脈狭窄を有する35歳以上の患者を対象とした無作為化比較試験で、 強化内科治療へのCASの上乗せ効果を強化内科治療単独と比較するCAS試験と、 CEAの上乗せ効果を強化内科治療単独と比較するCEA試験の2件の試験で構成されている。 今回報告されたのは、 事前に規定された認知機能に関する副次評価項目の解析である。
登録は2014年12月~2024年7月に行われ、 追跡は2025年7月に終了した。 146施設で実施された認知機能の評価は、 治療内容を盲検化した上で電話により中央で実施された。
患者は各試験で以下の2群に無作為化された。
全患者に対して学習・記憶・実行機能・注意・処理速度を評価する5つの認知機能検査を治療前、 さらにその後最長で4年間にわたって年1回実施した。 事前に規定された主要解析は、 4年時点における完全調整後の複合zスコアとした。 副次解析では、 個々の認知機能検査および各検査時点について評価した*。
米国の被験者2,366例のうち2,165例 (91.5%) が認知機能評価を受けた。 内訳はCAS試験が1,078例、 CEA試験が1,087例であった。 平均年齢は70.1歳 (SD 7.7) で、 37.8%が女性であった。 ベースライン評価後、 計4,954回の認知機能検査バッテリーが実施され、 平均追跡期間は2.24年 (SD 1.09) であった。
4年時点の完全調整後の推定複合zスコアは、 CAS試験のCAS + 強化内科治療群が0.22 (95%CI 0.13-0.30)、 強化内科治療単独群が0.18 (95%CI 0.09-0.27) で群間差は0.03 (95%CI -0.09-0.15)、 CEA試験のCEA+ 強化内科治療群が0.25 (95%CI 0.17-0.33)、 強化内科治療単独群が0.23 (95%CI 0.15-0.32) で群間差は0.02 (95%CI -0.09-0.14) であり、 いずれの試験においても治療に関連した差は認められなかった。
5つの認知機能検査を個別に解析した結果においても、 頸動脈血行再建術 (CASまたはCEA) +強化内科治療群と強化内科治療単独群に有意差は認められなかった。
著者らは、 「高度の無症候性頸動脈狭窄では、 CASまたはCEAを強化内科治療に追加しても、 最長4年の追跡で認知機能の有意な改善は得られなかった」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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