海外ジャーナルクラブ
19日前

Trachtmanらは、 巣状分節性糸球体硬化症 (FSGS) 患者を対象に、 選択的TRPC6阻害薬BI 764198の安全性および有効性を海外多施設共同第Ⅱ相二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験で評価した。 その結果、 BI 764198により蛋白尿の低下が認められ、 忍容性は良好であった。 本研究はLancet誌において発表された。
参加者数が少なかったことにより、 併用治療 (例 : ACE阻害薬、 ARB、 ステロイド) の使用に群間不均衡が生じ、 さらに疾患罹病期間や腎機能にも群間差がみられたのはlimitationです。
FSGSでは、 一過性受容体電位陽イオンチャネル・サブファミリーC・メンバー6 (TRPC6) の過剰な活性化が腎糸球体のポドサイトの喪失および進行性腎障害を引き起こす可能性がある。
そこで、 新規の選択的TRPC6阻害薬BI 764198 (1日1回経口投与) の安全性および有効性を第Ⅱ相無作為化比較試験の探索的研究で評価した。
10ヵ国31施設において、 生検で原発性FSGS (続発性である臨床的エビデンスがないことに基づく) と診断された、 または疾患の原因となるTRPC6変異を有する患者 (18~75歳) 67例*が中央ブロック法により以下の4群に1:1:1:1で無作為に割り付けられ、 12週間比較評価された。
対象患者は安定した保存療法および免疫抑制療法を受けており、 スクリーニング時の尿蛋白/クレアチニン比 (UPCR) は1.0g/g以上、 推定糸球体濾過量 (eGFR) は30mL/分/1.73m²以上であった。
主要評価項目は12週時における蛋白尿反応 (UPCRがベースラインから25%以上減少) を示した患者の割合であった。 その他の重要な評価項目は安全性および忍容性であった。
平均年齢は40.7歳 (標準偏差 12.6歳) であり、 60%が男性、 63%が白人であった。
12週時における蛋白尿反応は、 BI 764198 20mg群の8例 (44%)、 40mg群の2例 (14%)、 80mg群の6例 (43%)、 全用量群の16例 (35%)、 プラセボ群の1例 (7%) で認められた。
プラセボ群に対するオッズ比 (OR) は、 BI 764198 20mg群で10.0 (95%CI 1.6-118.1)、 40mg群で1.5 (95%CI 0.2-19.5)、 80mg群で6.0 (95%CI 0.9-73.6) であり、 全用量群では4.9 (95%CI 1.0-48.8) であった。
BI 764198の忍容性は良好であり、 治療群間で有害事象 (AE) 発現率に有意差は認められなかった。
治療中に発現した有害事象 (TEAE) は71%で報告され、 BI 764198全用量群およびプラセボ群いずれも発現率は71%だった。
著者らは 「BI 764198は蛋白尿を低下させ、 忍容性は良好であった。 これはFSGSにおけるポドサイト標的治療の有効性を示す初めてのエビデンスである。 今後、 より大規模な無作為化比較試験を長期的に実施し、 有意義なサブグループ解析を可能とすることで、 FSGSおよびその他のポドサイト障害を伴う疾患におけるBI 764198治療の安全性と有効性を評価する予定である」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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