【Lancet Oncol】高催吐性レジメンに対するオランザピン、 2.5mgの10mgへの非劣性示す
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海外ジャーナルクラブ

10ヶ月前

【Lancet Oncol】高催吐性レジメンに対するオランザピン、 2.5mgの10mgへの非劣性示す

【Lancet Oncol】高催吐性レジメンに対するオランザピン、 2.5mgの10mgへの非劣性示す
Bajpai氏らは、 高催吐性化学療法を受療する固形癌患者の低用量オランザピンと標準用量オランザピンの制吐効果について、 第III相単施設非盲検非劣性対照無作為化比較試験で検討した。 その結果、 低用量オランザピンの標準用量オランザピンに対する制吐効果の非劣性が示された。 本研究はLancet Oncol誌で発表された。

📘原著論文

Low-dose versus standard-dose olanzapine with triple antiemetic therapy for prevention of highly emetogenic chemotherapy-induced nausea and vomiting in patients with solid tumours: a single-centre, open-label, non-inferiority, randomised, controlled, phase 3 trial. Lancet Oncol. 2024 Jan 12:S1470-2045(23)00628-9. PMID: 38224701

👨‍⚕HOKUTO監修医コメント

単施設試験の限界である一般化をどのように行うかが常に課題です。 本試験でも2.5mgが使用されていますが、 本邦では5mgが使用されており本邦での同様の試験結果が期待されます。

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研究の背景

オランザピンは優れた制吐薬であるものの、 標準用量(10mg) で投与した際に、 日中の傾眠が問題となる。 高催吐性化学療法を受ける固形癌患者に対する低用量オランザピンと標準用量オランザピンの有効性を比較する必要がある。

研究デザイン

対象

ドキソルビシン+シクロホスファミドまたは高用量シスプラチンを投与されている13~75歳の固形癌患者

介入

患者を1 : 1の割合で無作為に割り付けた。

  • 低用量群 : 132例
低用量 (2.5mg) の経口オランザピンを1日4日間投与+制吐薬3剤併用レジメン
  • 標準用量群 : 135例
標準用量 (10.0mg) の経口オランザピンを1日4日間投与+制吐薬3剤併用レジメン

主要評価項目

全期間 (0~120時間) にわたるmITT集団における完全制御 (CC) 率*

*嘔吐エピソードおよび救急薬がなく、 かつ悪心がないか軽度である状態と定義

副次評価項目

日中の傾眠発生率

研究結果

CC率

  • 低用量群 : 45% (132例中59例)
  • 標準用量群 : 44% (135例中59例)
差 -1.0% (片側95%CI -10.0~9.0)、 p=0.87

副次評価項目

日中の傾眠発生率

  • 低用量群 : 65% (132例中86例)
  • 標準用量群 : 90% (135例中121例)
p<0.0001

重篤な傾眠発生率 (投与1日目)

  • 低用量群 : 5% (6例)
  • 標準用量群 : 40% (54例)
p<0.0001

結論

高催吐性の化学療法を受ける固形癌患者に対し、 2.5mgの低用量オランザピンは標準用量に比べ制吐作用において非劣性であった。 また、 低用量の投与で日中の傾眠の発生を減少させる可能性が示唆された。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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