海外ジャーナルクラブ
10ヶ月前
Bajpai氏らは、 高催吐性化学療法を受療する固形癌患者の低用量オランザピンと標準用量オランザピンの制吐効果について、 第III相単施設非盲検非劣性対照無作為化比較試験で検討した。 その結果、 低用量オランザピンの標準用量オランザピンに対する制吐効果の非劣性が示された。 本研究はLancet Oncol誌で発表された。
単施設試験の限界である一般化をどのように行うかが常に課題です。 本試験でも2.5mgが使用されていますが、 本邦では5mgが使用されており本邦での同様の試験結果が期待されます。
制吐薬適正使用ガイドライン2023改訂ポイント②-高催吐レジメン編-
オランザピンは優れた制吐薬であるものの、 標準用量(10mg) で投与した際に、 日中の傾眠が問題となる。 高催吐性化学療法を受ける固形癌患者に対する低用量オランザピンと標準用量オランザピンの有効性を比較する必要がある。
ドキソルビシン+シクロホスファミドまたは高用量シスプラチンを投与されている13~75歳の固形癌患者
患者を1 : 1の割合で無作為に割り付けた。
全期間 (0~120時間) にわたるmITT集団における完全制御 (CC) 率*
日中の傾眠発生率
差 -1.0% (片側95%CI -10.0~9.0)、 p=0.87
日中の傾眠発生率
p<0.0001
重篤な傾眠発生率 (投与1日目)
p<0.0001
高催吐性の化学療法を受ける固形癌患者に対し、 2.5mgの低用量オランザピンは標準用量に比べ制吐作用において非劣性であった。 また、 低用量の投与で日中の傾眠の発生を減少させる可能性が示唆された。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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