HOKUTO編集部
2年前
腹痛診療における診断予測、重症度分類で役立つ医療計算ツールをまとめました!
腹痛部位から原因臓器>鑑別疾患をイメージして問診、 身体診察を行いましょう.
🔢 STONEスコア
尿路結石患者は激しい側腹部痛や背部痛を主訴に来院し、 体動を伴うような特徴的なその痛がり方から、比較的診断のつけやすいコモンな疾患です。 日本ではまだまだ一般的ではありませんが、 海外では被爆や医療コストを極力減らす目的に、 CHOKAIスコアやSTONEスコアなどの臨床予測ルールが考案されています。 日本でのvalidationは不十分ですが、 エコー所見も加えたCHOKAIスコアの方が優れているとのトルコの報告があります。
腹痛や背部痛で常に忘れてはならないのが、大動脈解離や、大動脈瘤破裂、SMA塞栓、腸捻転など 血管が「裂ける」「詰まる」「ねじれる」ような急性疾患です。中でも大動脈解離は多彩な症状を呈す一方致死率も高く、見逃してはならない疾患のひとつです。 全ての疾患で画像検査を行うことは現実的ではなく、欧米のガイドラインではADDリスクスコアを用い大動脈解離の検査前確率を計算することが推奨されています。
🔢 Pediatric appendicitis score
急性虫垂炎の診断予測スコアで有名なのが1986年に報告されたAlvaradoスコア (別名MANTRELSスコア)ではないでしょうか。 これまでに本邦を含む複数のvalidationが行われており、特異度は低いが感度は高いことが分かっています。 点数が低ければ帰宅を検討可能でありますが、 妊婦やHIVなど易感染患者では注意が必要です。 その他、小児を対象としたPediatric appendicitis scoreも知られています。
結石やアルコールを原因として、激しい痛みを伴う急性膵炎ですが、日本では厚生労働省急性膵炎重症度判定基準2008 (JSS2008) が最も広く利用されています。 9つの予後因子、または造影CT所見を加え、重症度を判定します。 本邦の急性膵炎ガイドラインでは、 急性膵炎の診断後速やかに重症度を判定し、 その後も繰り返し評価することが推奨されています。
Tokyo Guideline 2018の診断基準や重症度分類が一般的に使用されます。 重症度に応じ治療方針を決定していくことが多いですが、 胆嚢摘出術のタイミングや適応については施設方針によって異なる点もあるため、所属施設外科医と協議するとよいでしょう。
Tokyo Guideline 2018の診断基準や重症度分類が一般的に使用されます。 特に重症急性胆管炎患者は増悪が極めて早く、ERで待機中にショック状態になることもしばしば。 速やかな抗生剤投与とERCPなどの根本治療が推奨されます。
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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