海外ジャーナルクラブ
1年前
Loriotらは、 抗PD-1抗体または抗PD-L1抗体による治療歴があり、 汎線維芽細胞増殖因子受容体 (FGFR) 変異陽性の転移性尿路上皮癌患者を対象に、 erdafitinibの有効性および安全性を国際第Ⅲ相試験で検討した。 その結果、 erdafitinibは、 化学療法群に比し、 全生存期間 (OS) を有意に延長した。 本研究は、 NEJM誌において発表された。
NEJMは常に時代の最先端のスタイルを提供しています。 本論文ではMethodにスポンサードの一部まで下記のように記載されるようになっています。 Writing assistance was funded by the sponsor.
Erdafitinibは、 FGFR阻害薬であり、 FGFR3遺伝子変異またはFGFR2もしくはFGFR3遺伝子が関与する遺伝子融合を有する局所進行性または転移性尿路上皮癌治療薬として承認されている。 しかし、 抗PD-1/PD-L1抗体による治療後に進行したFGFR変異陽性の転移性尿路上皮癌患者に対する効果は明らかではなかった。
抗PD-1または抗PD-L1治療後に進行したFGFR3/2変異を有する転移性尿路上皮癌患者
患者を以下の群に1:1の割合で無作為に割り付け。
OS
OS中央値
死亡のHR:0.64 (95%CI 0.47-0.88、 p=0.005)
PFS中央値
増悪または死亡のHR:0.58 (95%CI 0.44-0.78、 p<0.001)
有害事象の発生率
Grade3または4の治療関連有害事象の発現率は両群とも同程度であった。
治療関連有害事象による死亡
Erdafitinib群の治療関連有害事象による死亡率は化学療法群よりも少なかった。
抗PD-1または抗PD-L1治療歴がありFGFR変異のある転移性尿路上皮癌患者において、 FGFR阻害薬erdafitinibは化学療法と比較してOSを有意に延長させた。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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