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海外ジャーナルクラブ

18日前

【NEJM】ICS/SABAのレスキュー吸入、 重度の喘息増悪リスク低減に効果か


Papi Aらは、 コントロール不良の中等症~重症喘息患者を対象に、 アルブテロール+ブデソニド合剤 (ICS/SABA)をレスキューに使用する有効性と安全性を検討する無作為化二重盲検多施設共同第Ⅲ相イベントドリブン試験を実施した (MANDALA試験).  結果、 アルブテロール単独 (SABA)に比し、 重度の喘息増悪のリスクが著しく低下することが明らかとなった. 本研究はNEJM誌において発表された.

研究の背景

  • 喘息の悪化に伴い、 多くの場合患者はSABAによるレスキューに依存することとなるが、 SABAに炎症の抑制作用はなく、 患者は重度の喘息増悪のリスクに晒され続ける.
  • レスキュー薬として、 アルブテロール+ブデソニドの固定用量配合剤 (ICS/SABA)を使用することで、 アルブテロール単独 (SABA)と比較して、 喘息の重症化リスクが低下する可能性がある.

研究デザイン

対象は、 吸入ステロイドを含む維持療法を受けているコントロール不良の中等症~重症喘息患者で、 年齢に応じて以下のレスキューを利用するよう割り付けた. 維持療法は試験期間中に継続した. 主要評価項目は、 time-to-event解析における重度の喘息増悪の初回発生とし、 intention-to-treat集団で解析を行った.

12歳以上~成人|以下の3群に割り付け

  • ICS/SABA高用量併用群
アルブテロール180μg+ブデソニド160μg (90/80μg × 2回)
  • ICS/SABA低用量併用群
アルブテロール180μg+ブデソニド80μg (90/40μg × 2回)
  • SABA単独群
アルブテロール180μg (90μg × 2回)

4~11歳の小児|以下の2群に割り付け

  • ICS/SABA低用量併用群
  • SABA単独群

研究結果

3,132例が無作為化、 97%が12歳以上であった.

有効性評価

  • 重度の喘息増悪のリスクは、 ICS/SABA高用量併用群の方がSABA単独群よりも26%低かった. (HR 0.74 [95%CI 0.62~0.89, P = 0.001])
  • ICS/SABA低用量併用群のSABA単独群と比したハザード比は0.84 (95%CI 0.71~1.00, P=0.052) であった.

安全性評価

  • 有害事象の発生はいずれも同程度であった.

結論

コントロール不良の中等症~重症喘息患者において、 ICS/SABA (アルブテロール180 μgとブデソニド160 μgの合剤)を必要に応じて使用した場合、 SABA単独 (アルブテロール単剤)と比較して、 重度の喘息増悪のリスクが著しく低いことが示された.

原著

Papi A、 et al、 Albuterol-Budesonide Fixed-Dose Combination Rescue Inhaler for Asthma. N Engl J Med. 2022 Jun 2;386(22):2071-2083. PMID: 35569035


こちらの記事の監修医師
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聖路加国際病院 救急部 清水真人先生
聖路加国際病院
救急部 清水真人先生

2013年慶應義塾大学医学部を卒業。初期臨床研修修了後、2015年聖路加国際病院救急部入局。就任間もなく聖路加ベストティーチャー賞を連続受賞。救急・集中治療、 医学教育を専門とする他、Webツールの医療現場での利用に精通し、 複数の雑誌で連載を行う。

聖路加国際病院 救急部 清水真人先生
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救急部 清水真人先生

2013年慶應義塾大学医学部を卒業。初期臨床研修修了後、2015年聖路加国際病院救急部入局。就任間もなく聖路加ベストティーチャー賞を連続受賞。救急・集中治療、 医学教育を専門とする他、Webツールの医療現場での利用に精通し、 複数の雑誌で連載を行う。

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