HOKUTO編集部
3日前

特発性肺線維症 (IPF) および進行性肺線維症 (PPF) における経口PDE4B阻害薬ネランドミラストの有効性と安全性を評価した第Ⅲ相無作為化比較試験FIBRONEER-IPFおよびFIBRONEER-ILDの参加者を対象に、 ネランドミラスト長期投与の安全性と忍容性を評価する非盲検継続投与試験FIBRONEER-ONの中間解析の結果が報告された。 同解析では、 先行試験からのネランドミラスト継続群 (以下、 継続群) と、 先行試験でプラセボが投与されFIBRONEER-ONからネランドミラストが開始された群 (以下、 開始群) の両群で忍容性を理由とする減量は1.7%に留まるなど、 良好な安全性と忍容性が示された。 ベルギー・University Hospitals LeuvenのWim A. Wuyts氏が発表した。
ネランドミラストはホスホジエステラーゼ4B (PDE4B) を優先的に阻害する経口薬で、 抗線維化・免疫調整・血管保護作用を有する。IPF患者を対象としたFIBRONEER-IPF試験とPPFを対象としたFIBRONEER-ILD試験では、 肺線維症の進行を抑制し、 生存を含む臨床アウトカムにおける有益性と良好な安全性および忍容性が示され、日本国内では2026年5月にIPFおよびPPFの治療薬として承認されている (商品名 : ジャスケイド錠)。
一方で、 ネランドミラストを長期にわたって継続投与した場合の忍容性は不明であった。
FIBRONEER-ON試験は、 FIBRONEER-IPF試験とFIBRONEER-ILD試験を完遂した患者を対象とし、 全例に非盲検下でネランドミラストを投与する継続投与試験である。 先行試験でネランドミラストが投与され、 FIBRONEER-ON試験でも継続投与された1,102例を継続群、 先行試験のプラセボからFIBRONEER-ON試験ではネランドミラストに切り替えた541例を開始群とした。 今回は56週までの中間解析の結果が報告された。
FIBRONEER-ON開始時の%FVCは継続群で74.7%、 開始群で71.4%であり、 診断はIPFがそれぞれ51.6%、 51.8%、 残りがPPFであった。 背景治療として使用されていた抗線維化薬はニンテダニブが708例、 ピルフェニドンが283例であり、 非投与が652例であった。
56週時点でネランドミラストの投与を継続していたのは継続群で903例 (81.9%)、 開始群で409例 (75.6%) であった。 このうち、 ネランドミラスト18mg1日2回投与例の割合は継続群で87.7%、 開始群で86.3%であったが、 忍容性を理由に18mgから9mgに減量した割合は両群ともに1.7%にとどまった。
あらゆる有害事象の発現率は継続群で89.9%、 開始群で90.8%であり、 有害事象による投与中止例の割合は継続群で8.9%、 開始群で12.0%であった。 重篤な有害事象の発現率は継続群で38.4%、 開始群で34.9%、 死亡に至った有害事象の発現率はそれぞれ5.8%、 8.5%であった。
最も頻度が高かった有害事象は下痢で、 継続群で16.2%、 開始群で24.8%に認められた。 ただし、 下痢による投与中止の発生率は継続群で0.5%、 開始群で1.7%であり、 全体では1%未満であった。 次に多かったのは咳嗽 (両群11.1%) であった。
有害事象による投与中止の発生率は、 背景治療における抗線維化薬の非使用例では継続群で8.6%、 開始群で9.5%、 ニンテダニブ使用例ではそれぞれ9.8%、 14.1%、 ピルフェニドン使用例ではそれぞれ7.4%、 11.7%であった。 下痢はニンテダニブ使用例で最も多く、 継続群で23.3%、 開始群で35.5%にみられたが、 下痢による投与中止の発生率は最大でも2.4%であった。
Wuyts氏らは、 「非盲検下での継続投与56週の時点で、 ネランドミラストの安全性プロファイルおよび忍容性プロファイルは先行試験と一貫して良好であり、 忍容性を理由とする減量は1.7%にとどまった。 この結果はIPFまたはPPFの患者に対するネランドミラストの継続投与を支持するものである」 と結論付けた。
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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