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30日前

【NEJM】脂肪滴表面蛋白質である「CIDEB」の変異、 肝疾患リスク減少と関係


Verweijらは, 肝硬変などの疾患予防に関連する稀なタンパク質コード変異体を同定し, 新たな治療標的を発見する目的で, 多段階エクソーム解析と遺伝子関連解析, in vitroの実験を実施. その結果, CIDEB のまれな生殖細胞変異が,様々な背景因子や重症度の肝疾患のリスク減少と関係していることが明らかとなった. 本研究は, NEJM誌において発表された. 

📘原著論文

Verweij N, et al, Germline Mutations in CIDEB and Protection against Liver Disease. N Engl J Med. 2022 Jul 28;387(4):332-344.PMID: 35939579

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

本研究成果により肝硬変への進行を予防する治療に直結する道筋が容易に予想されます. 実診療までのゴールまで設定している点で単なる細胞変異の報告とは異なる感がします.

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背景

数十万人規模のエクソーム解析により, 肝疾患予防に関連する稀なタンパク質コード遺伝子変異を同定することで, 新たな治療標的を発見するための仮説構築が可能である.

研究デザイン

多段階エクソーム解析と遺伝子関連解析を行い, 肝臓の表現型と関連する稀なタンパク質コード変異体が存在する遺伝子を同定した. また, それらの遺伝子と肝疾患との関連性を明らかにするためにin vitroの実験を行った.

研究結果

  • APOB, ABCB4, SLC30A10, TM6SF2のまれなコード変異体が, アミノトランスフェラーゼ値の増加および肝臓疾患のリスク増加と関連していることがわかった.
  • 肝脂質滴に見られる構造タンパク質をコードするCIDEBの変異体には, 保護作用があることがわかった.
  • CIDEB のまれなコード変異体は,あらゆる原因の肝硬変を含む,さまざまな背景因子および重症度における肝疾患のリスク減少と関連していた.
アレルごとのOR 0.50, 95%CI 0.36-0.70
  • CIDEB のまれなコード変異体は,肥満手術を受けた患者3,599名のNAFLD活動性スコアのと関連していた.
  • オレイン酸を負荷したヒト肝細胞株では, CIDEB siRNAノックダウンにより, 大きな脂質滴の蓄積を防ぐことができた.

結論

CIDEB のまれな生殖細胞変異は, 肝疾患からの実質的な保護をもたらす.


こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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