海外ジャーナルクラブ
3ヶ月前

Diantiらは、 人工呼吸器管理中の患者において、 呼吸ドライブや呼吸努力の過不足が転帰に与える影響を前向きコホート研究で検討した。 その結果、 過小または過大な呼吸ドライブおよび呼吸努力はICU死亡率の上昇およびICU退室率の低下と関連することが明らかとなった。 本研究はLancet Respir Med誌において発表された。
Lancet特有のimplicationには、 人工呼吸管理中は、 患者自身の呼吸努力が転帰に大きく影響し得るため、 呼吸ドライブや呼吸努力のモニタリングによって状態悪化のリスクを早期に検出できる、 とモニタリングの重要性を強調しています。
RASS (Richmond Agitation-Sedation Scale)
RSBI (Rapid Shallow Breathing Index)
人工呼吸器管理下では、 呼吸ドライブや呼吸努力が過小であっても過大であっても肺や横隔膜に損傷を与える可能性が示唆されている。 しかし、 それらが患者転帰にどのような影響を及ぼすかは十分に解明されていない。
対象は、 2019年6月25日~2022年4月1日にカナダ・トロント総合病院の内科・外科ICUに入室し、 人工呼吸器管理を受けた成人患者だった。 人工呼吸開始後10日間、 以下の生理学的指標を連日測定した。
評価項目は、 ICU内死亡率とICU退室までの時間だった。
1,186例が組み入れられ、 298例 (25%) が追跡期間中に死亡した。 P0.1およびPoccはいずれも死亡および生存退室のハザードと非線形の関連を示した (p≤0.024)。
酸素化が重度に低下している患者 (PaO₂:FiO₂≦150mmHg) では、 P0.1およびPoccが低値または高値のいずれの場合もICU退室率が低下した。 一方、 PaO₂:FiO₂>150mmHgの患者では、 P0.1およびPoccが高いほどICU退室が早まった (交互作用p<0.0001)。
高いΔPL,dynはICU退室率の低下と有意に関連し (p<0.0001)、 特にPaO₂:FiO₂≦150 mmHgの群で顕著だった。 また呼吸努力の増大は、 ΔPaw,dynとICU生存退室率との負の関連をさらに増強させた (交互作用p=0.0052)。
著者らは、 「人工呼吸器管理中の患者において、 過小または過大な呼吸ドライブおよび呼吸努力は、 特に酸素化がより重度に障害されている場合に、 ICU死亡率の上昇およびICU退室率の低下と関連していた。 また過剰な呼吸努力は、 人工呼吸器による駆動圧がアウトカムに及ぼす影響を増悪させた」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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