【NEJM】非高リスクコロナへのニルマトレルビル/リトナビルは症状緩和までの期間短縮できず
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海外ジャーナルクラブ

11日前

【NEJM】非高リスクコロナへのニルマトレルビル/リトナビルは症状緩和までの期間短縮できず

【NEJM】非高リスクコロナへのニルマトレルビル/リトナビルは症状緩和までの期間短縮できず
Hammondらは、 重症化リスクが高くない症候性の新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) 成人外来患者を対象に、 経口抗ウイルス薬ニルマトレルビル/リトナビルの効果について、 第II/III相二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験EPIC-SR試験で検討した。 その結果、 徴候または症状の持続的な緩和までの期間は、 ニルマトレルビル/リトナビルとプラセボで有意差は認められなかった。 本研究はNEJM誌において発表された。

📘原著論文

Nirmatrelvir for Vaccinated or Unvaccinated Adult Outpatients with COVID-19. N Engl J Med. 2024 Apr 4;390(13):1186-1195. PMID: 38598573

👨‍⚕HOKUTO監修医コメント

「効果がない」 で終了ではなく、 同時に、 症状緩和までの期間が例えば半分になるような薬の新規開発が期待されます。

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改訂ポイント

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改訂ポイント

非高リスクコロナへの有効性は?

標準的重症化リスクを有する、 またはワクチン接種済で重症化リスク因子を1つ以上有する患者において、 ニルマトレルビル/リトナビルの有効性は確立されていない。

成人患者を対象にRCTで検証

対象

過去5日以内に症状が発現し、 COVID-19が確認された成人患者 : 1,296例

介入

患者を以下の2群に1 : 1の割合で無作為に割り付けた

  • ニルマトレルビル/リトナビル群 : 654例
ニルマトレルビル/リトナビルを12時間ごとに5日間投与
  • プラセボ群 : 634例
適格患者は 「COVID-19の重症化リスク因子を少なくとも1つ有するCOVID-19ワクチン接種完了例」 または 「COVID-19の重症化に関連する基礎疾患がなく、 ワクチン接種を1回も受けていない、 または過去12ヵ月以内にワクチンを接種していない例」 とした。
参加者は事前に規定したCOVID-19の徴候と症状の有無、 重症度について、 1~28 日目まで毎日記録した。

主要評価項目

COVID-19の徴候および全ての症状の持続的軽減が得られるまでの時間

副次評価項目

28日目までのCOVID-19関連入院、 全死因死亡の発生

症状持続的軽減期間に有意差なし

主要評価項目

徴候および全症状持続的軽減の中央値

  • ニルマトレルビル/リトナビル群 : 12日
  • プラセボ群 : 13日
log-rank検定のp=0.60

副次評価項目

28日目までのCOVID-19関連入院または全死因死亡率

  • ニルマトレルビル/リトナビル群 : 0.8% (654例中5例)
  • プラセボ群 : 1.6% (634例中10例)
群間差 -0.8%㌽ (95%CI -2.00.4%㌽) 

安全性評価

有害事象の発現割合

  • ニルマトレルビル/リトナビル群 : 25.8% (654例中169例)
  • プラセボ群 : 24.1% (634例中153例)

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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