【BMJ】イラン産の新型・不活化コロナワクチンが第Ⅲ相で高効果
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海外ジャーナルクラブ

7ヶ月前

【BMJ】イラン産の新型・不活化コロナワクチンが第Ⅲ相で高効果

【BMJ】イラン産の新型・不活化コロナワクチンが第Ⅲ相で高効果
Mohrazらは、 新型コロナウイルス (SARS-CoV-2) を対象としたBIV1-CovIran (イラン・Shifa-Pharmed Industrial Group製) の有効性と安全性を第Ⅲ相試験で検討した。 その結果、 BIV1-CovIranの2回目接種は症候性新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) に対して50.2%、 重症感染に対して70.5%、 重篤な症例に対して83.1%の有効性を示し、 忍容性も良好で、 安全性に関する懸念がないことが示された。 本研究は、 BMJ誌において発表された。 

📘原著論文

Efficacy and safety of an inactivated virus-particle vaccine for SARS-CoV-2, BIV1-CovIran: randomised, placebo controlled, double blind, multicentre, phase 3 clinical trial. BMJ. 2023 Sep 21:382:e070464. PMID: 37734752

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

このワクチンの素晴らしいところは不活化ワクチンである点です。 本邦でもCOVID-19に対する不活化ワクチンの第Ⅲ相が行われていますが、 先を越された感じです。

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4C mortalityスコア

COVID-19入院患者の予後予測スコア

研究デザイン

対象

イランの6都市のワクチン接種センターにおいて接種を受けた18~75歳の2万例

介入

患者を以下の群に2:1の割合でランダムに割り付けた

  • BIV1-CovIran 群:1万3,335例
BIV1-CovIran 5μg (0.5mL) を28日間隔で2回接種
  • プラセボ群:6,665例
プラセボを28日間隔で2回接種

主要評価項目

90日間の追跡期間におけるワクチンの有効性、 安全性、 探索的な免疫原性、 試験期間中の変異株検出

研究結果

有効性評価

BIV1-CovIran 群の有病率

  • 症候性COVID-19:5.9% (758例)
  • 重症感染:1.1% (144例)
  • 重篤な症状:0.1% (7例)

プラセボ群の有病率

  • 症候性COVID-19:10.7% (688例)
  • 重症感染:3.4% (221例)
  • 重篤な症状:0.3% (19例)

全体的なワクチンの有効率(感染予防率)

  • 症候性COVID-19:50.2% (95%CI 44.7-55.0)
  • 重症感染:70.5% (95%CI 63.7-76.1)
  • 重篤な症例:83.1% (95%CI 61.2-93.5)

有効性解析対象集団において、 プラセボ群で2例の死亡が報告されたが、 BIV1-CovIran 群では死亡例はなかった。

安全性評価

追跡期間中に4万1,922例の有害事象が報告された。 その内の68.7% (28,782例) が副反応であった。

副反応のうち、 67.3% (19,363例) がワクチン接種群であった。

ほとんどの副反応は軽度または中等度 (Grade 1または2) で、 自然に軽快した。 投与に関連した重篤な有害事象は認められなかった。

結論

BIV1-CovIranの2回接種は、 症候性COVID-19に対し50.2%、 重症感染に対し70.5%、 重篤な症例に対して83.1%の有効性を示した。 ワクチン接種の忍容性は良好で、 安全性に関する問題は確認されなかった。

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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