海外ジャーナルクラブ
1ヶ月前

東海大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科分野の和佐野氏らの研究グループは、 慢性耳鳴患者に対する教育的カウンセリングおよび認知行動療法 (CBT) を組み込んだデジタル治療アプリの有効性と安全性をシャム対照・無作為化比較試験にて検証した。 その結果、 耳鳴関連の苦痛および機能障害の指標であるTHIのスコアは治療アプリ群で有意に改善し、 16週時点の群間差は-20.4、 24週時点でも-18.3と効果は持続した。 また重篤な有害事象や重大な機器不具合は認められなかった。 試験結果はJAMA Otolaryngol Head Neck Surg誌に発表された。
3施設による多施設共同試験ではあるものの、 参加施設数自体が限られており、 結果の一般化可能性には注意が必要です。
難聴を伴う慢性耳鳴に対しては、 認知行動療法 (CBT) および補聴器療法で一定の改善が示されているが、 これらの介入へのアクセスは限られている。
本研究では、 教育的カウンセリングとCBT要素を組み合わせたデジタル治療モバイルアプリを開発し、 苦痛を伴う慢性耳鳴患者において16週間の有効性と安全性を評価した。
本二重盲検・シャム対照・無作為化比較試験は、 軽症から重症の慢性耳鳴患者を対象とし、 16週間の治療と8週間の追跡で構成された。 患者は治療用アプリまたは治療機能を備えていないシャムアプリを使用した。
主要評価項目は、 16週時点の、 耳鳴関連の苦痛および機能障害の指標であるTHIのスコア変化量とした。
副次評価項目は、 耳鳴症状、 不安・抑うつ、 不眠などに対する患者報告アウトカムとした。
計60例が無作為化された (治療アプリ群 : 30例、 シャムアプリ群 : 30例)。 全体のベースライン時THI平均値 (SD) は41.3 (16.9) であった。
治療アプリ群は、 シャムアプリ群と比較して16週時点でTHIスコアを有意に改善し、 治療効果は24週時点まで維持された。
THI変化量の群間差
重篤な有害事象、 または健康被害につながる可能性のある機器不具合は認められなかった。
著者らは、 「耳鳴治療アプリにより、 耳鳴関連の苦痛および機能障害が大きく、 かつ持続的に改善することが示された。 本アプリは、 慢性耳鳴患者への有効かつ標準化された介入となる可能性がある」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。