【BMC Cancer】薬剤誘発性間質性肺疾患後の化学療法、S-1単剤とFOLFOXに同等の効果
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海外ジャーナルクラブ

2年前

【BMC Cancer】薬剤誘発性間質性肺疾患後の化学療法、S-1単剤とFOLFOXに同等の効果

【BMC Cancer】薬剤誘発性間質性肺疾患後の化学療法、S-1単剤とFOLFOXに同等の効果
Irieらは、切除不能な膵管腺癌(PDAC)患者を対象に、ゲムシタビンベースのレジメンによって誘発された間質性肺疾患(ILD)の最適な管理方法を多施設共同後ろ向き研究で検討。その結果、S-1単剤療法とFOLFOXは、薬剤誘発性ILD後の化学療法として同等の有効性を持つことが明らかとなった。本研究はBMC Cancer誌において発表された

📘原著論文

Clinical benefit of subsequent chemotherapy after drug-induced interstitial lung disease in pancreatic cancer patients: a multicenter retrospective study from Japan.BMC Cancer. 2023 Apr 6;23(1):316.PMID: 37024781

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

後ろ向き解析で症例数が24例と少数であり、本研究グループの論文採択に際しての困難が容易に想像できます。タイトルでClinical benefitというアカデミアではあまり聞きなれないtermを使用されているところからもその苦労が透けて見えます。評価は今後のさらなる研究成果を待つしかないと思います。


背景

薬剤誘発性ILDは、PDACに対する現在の化学療法戦略において、まれな有害事象ではない。

研究デザイン

対象

ゲムシタビンによるILD発症後にS-1単剤療法またはFOLFOXを受けたPDAC患者

介入

S-1単剤療法またはFOLFOXの投与

主要評価項目

全生存期間(OS)

研究結果

解析対象

ILDと診断された24例を対象とし、その後にS-1単剤療法またはFOLFOXによる補助的な化学療法を受けた17例が登録された。

OS

S-1単剤療法とFOLFOX間でOSに有意差はなかった(290.0日 vs. 未定、p=0.39)。

薬剤誘発性ILDの再発は、どの症例においても観察されなかった。

安全性評価

CTCAE Grade 3または4の有害事象はS-1単剤群では23.1%(3例)、FOLFOX群で25.0%(1例)で確認された(p=0.93)。

結論

切除不能PDACにおけるゲムシタビンベースのレジメンによるILD後の化学療法として、S-1単剤療法とFOLFOXの効果は同等であった。

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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