海外ジャーナルクラブ
16日前

国立がん研究センター東病院肝胆膵内科長・副院長・サポーティブケアセンター長の池田公史氏らの研究グループは、切除後の胆道癌の患者440例を対象に、 術後補助療法としてのS-1を経過観察と比較する非盲検第III相無作為化比較試験ASCOTの事前に規定された5年追跡解析を実施。 その結果、 追跡期間中央値61.5ヵ月の時点で、 5年全生存率 (OS率) はS-1群64%、 経過観察群52%、 全生存期間 (OS) 中央値はそれぞれ8.2年、 5.9年と、 経過観察群と比べてS-1群では生存ベネフィットが長期にわたって持続することが示された。 試験結果はJ Clin Oncol誌に発表された。
免疫チェックポイント阻害薬 (ICI) の普及前の試験であり、 再発後にICIを使用した患者は少数でした。
📖S-1補助療法が胆道がん治癒切除後の標準に―第Ⅲ相試験JCOG1202/ASCOT―
ASCOT試験では、 切除後胆道癌患者の3年OS率が、 術後経過観察群の67.6%に対し、 経口フッ化ピリミジン系薬S-1による術後補助療法群では77.1%と有意に高いことが既に報告されている。 今回、 同試験で事前に規定された5年間の追跡に基づく最終解析結果が報告された。
本試験は、 日本国内38施設で実施された多施設共同の非盲検第III相無作為化比較試験である。 2013年9月~2018年6月に登録された治癒切除後の胆道癌患者440例が以下の2群に無作為に割り付けられた。
主要評価項目はintention-to-treat (ITT) 集団におけるOSとした。副次評価項目は無再発生存期間 (RFS)、 有害事象などであった。
追跡期間中央値61.5ヵ月の時点で、 5年OS率は経過観察群の52%と比べてS-1群では64%と高かった(HR 0.72, 95%CI 0.55-0.95, 片側p=0.01)。 OS中央値はS-1群が8.2年、 経過観察群が5.9年であった。
RFS中央値はS-1群が6.1年、 経過観察群が3.5年であった。 RFSの非層別HRは0.80 (95%CI 0.62-1.03)、 原発腫瘍部位およびリンパ節転移の有無で層別化したHRは0.76 (95%CI 0.59-0.98) であった。
治療効果はサブグループ間でおおむね一貫していた。
研究グループは、 「S-1による術後補助療法の生存ベネフィットが長期にわたって持続することが確認され、 切除後胆道癌に対する標準治療としてのS-1の位置付けが支持された」と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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