【JAMA Oncol】乳房密度の変化率が乳癌リスクと関連
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1年前

【JAMA Oncol】乳房密度の変化率が乳癌リスクと関連

【JAMA Oncol】乳房密度の変化率が乳癌リスクと関連
Jiangらは、 マンモグラフィ検診における乳房密度の経時的変化がその後の乳癌リスクに及ぼす影響についてコホート内症例対照研究で検討。 その結果、 乳房密度の変化率が乳癌のリスクと関連することが明らかとなった。 本研究はJAMA Oncol誌において発表された。

📘原著論文

Longitudinal Analysis of Change in Mammographic Density in Each Breast and Its Association With Breast Cancer Risk. JAMA Oncol. 2023 Apr 27;e230434. PMID: 37103922

👨‍⚕️監修医師のコメント

乳房密度は乳癌の危険因子であることから、 乳癌患者の方が元々乳房密度が高い可能性があります。 その場合、 変化率で見ると変化は数学的には大きくなる (スタート時点が高いため) 傾向があるはずなのですが、 今回の研究結果のように低下傾向の変化が対照群に比べて小さいというのは真の変化に近いように思います。

🔢 関連コンテンツ

乳癌のTNM臨床病期分類

乳腺腫瘍のTNM分類 (UICC-8版)

背景

乳房密度は乳癌の危険因子であるが、 乳房密度の縦断的な変化が乳癌リスクとどのように関連しているかについては十分に研究されていない。

研究デザイン

方法

  • Joanne Knight Breast Health Cohor登録時に癌のない女性 (1万481人) を抽出し、 2008年から2020年まで追跡。
  • 病理学的に乳癌が確認された各症例 (289例) に対して、 登録時の年齢と登録年に応じて約2人の対照者 (計658人) を抽出し、 頭尾方向撮影のマンモグラフィ画像8,710枚について評価を行った。

主要評価項目

各女性の乳房密度の経時的変化

研究結果

解析対象

  • 平均年齢 (SD) :56.67 (8.71) 歳
  • 黒人:14.9% (141人)
  • 白人:80.6% (763人)
  • その他の人種または民族:2.1% (20人)
  • 未回答:2.4% (23人)

最終のマンモグラフィから癌診断日までの平均 (SD) 間隔

  • 平均間隔 (SD) :2.0 (1.5) 年
  • 10パーセンタイル:1.0年
  • 90パーセンタイル:3.9年

乳房密度と癌との関連

乳房密度は、 症例群と対照群の両方で時間の経過とともに減少した。 しかし、 乳癌を発症した乳房密度の低下率は、 対照群と比較して有意に緩やかであった。

推定値=0.027、 95%CI 0.001-0.053、 P=0.04

結論

乳房密度の変化率がその後の乳癌のリスクと関連することが示された。 これにより、 縦断的な変化を既存のモデルに組み込むことで、 リスク層別化を最適化し、 より個別化されたリスク管理を行うことが可能になる。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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