海外ジャーナルクラブ
6ヶ月前

Borlaugらは、 二重盲検無作為化比較試験SUMMITにおける肥満関連の左室駆出率が保たれた心不全 (HFpEF) 患者を対象に、 GIP/GLP-1受容体作動薬チルゼパチドの効果をベースラインの肥満の程度や分布、 体重減少の大きさによって検討した (SUMMIT試験)。 その結果、 チルゼパチドはベースラインの肥満指標にかかわらず心不全悪化や心血管死のリスクを低下させたのに加えて、 より高い肥満度の患者では運動耐容能の改善が大きいことが示された。 本研究はJACC誌において発表された。
SUMMIT Trialはまさしく名前の通り、 NEJM, Nature Med, JACCと次々に有名雑誌に研究が公表されています。
SUMMIT試験では、 チルゼパチドが肥満関連の左室駆出率が保たれた心不全 (HFpEF) 患者において心血管死または心不全悪化のリスクを低下させたことが報告されている。 しかし、 肥満の重症度や分布、 体重減少の大きさによって、 その効果がどのように変化するかは明らかではなかった。
SUMMIT試験の対象は、 HFpEF (NYHA II~IV) かつBMI≥30 kg/m² の患者731例であり、 チルゼパチド群 (364例) とプラセボ群 (367例) に無作為に割り付けられた。
主要評価項目は、 52週時点での心血管死または心不全悪化までの時間と、 カンザスシティ心筋症質問票臨床サマリースコア (KCCQ-CSS) の変化であった。 副次評価項目は、 52週時点での6分間歩行距離 (6MWD)、 C反応性タンパク (CRP)、 体重の変化などであった。
本2次解析では、 肥満の重症度 (BMI) と分布 (腰高比[WHR]) に基づき、 主要/副次評価項目が分析され、 治療中の体重と腰囲の変化と、 主要評価項目の関連性も評価された。
高BMI群では、 低BMI群に比べて若年女性が多く、 心不全症状や身体的制限がより重度であった。 また、 利尿薬の使用量が多くナトリウム利尿ペプチド濃度は低いにもかかわらず体液貯留が重度であり、 全身性炎症はより強かった。 ベースラインWHRによる比較でも同様の傾向がみられたが、 高WHR群では腎機能低下と運動耐容能の悪化が顕著であった。
心不全悪化または心血管死のリスクに対するチルゼパチドの効果において、 BMIまたはWHRの三分位間で異質性は認められなかった。 一方で、 ベースラインBMI (三分位) が高くなるにつれ、 以下が認められた。 ベースラインでより高いBMIを有する患者において、 6MWDのより大きな改善を示した。
チルゼパチド群において、 52週時点での体重減少量が大きいほど、 6MWD、 KCCQ-CSS、 CRP、 血圧の改善が大きかった。 また、 腹囲の減少が大きいほど、 6MWDおよびKCCQ-CSSの増加も大きかった。 高WHR・低BMI群は、 低WHR・高BMI群と比較して、 より高いNYHAクラスとN末端プロB型ナトリウム利尿ペプチド値、 腎機能低下、 6MWDの低下を示した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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