海外ジャーナルクラブ
7日前

Narulaらは、 21ヵ国の一般住民を対象としたPURE研究の一環として、 超加工食品 (UPF) の摂取量低減が炎症性腸疾患 (IBD) 発症リスクに及ぼす影響を、 傾向スコアマッチングおよびモンテカルロシミュレーションを用いた前向きコホート解析で評価した。 その結果、 UPF摂取量の低減はIBD発症リスクの有意な低下と関連していた。 本研究は、 Gastroenterology誌において発表された。
食事摂取はベースライン時の食品摂取頻度調査票により評価されており、 リコールバイアスの影響を受ける可能性があります。
クローン病
潰瘍性大腸炎
IBDの有病率は世界的に増加しており、 UPFがIBDの主要な環境因子として挙げられている。 これまで、 UPFの摂取量増加とIBD発症リスク上昇との関連が示されてきた一方で、 摂取量低減によりIBD発症リスクがどの程度低下するかについては不明であった。
そこで本研究では、 UPFの摂取量低減がIBD発症の20年累積リスクに及ぼす影響を定量的に推定した。
PURE研究に参加した21ヵ国の一般住民12万4,598人を対象として、 各国固有の食品摂取頻度調査票に基づくUPF摂取量を評価した。 年齢、 性別、 都市部または農村部、 教育、 ボディマス指数 (BMI)、 喫煙状況、 1日あたりのエネルギー摂取量、 およびAlternative Healthy Eating Indexによる食事の質に基づいてプロペンシティスコアを算出し、 傾向スコアマッチング (1対1) を実施した。
1日1サービング未満のUPF摂取を 「低UPF」 と定義し、 これを介入群とした。 「通常食」 を参照群として、 パラメトリックg-formulaとモンテカルロシミュレーションにより、 IBD発症の20年累積リスク差およびリスク比を推定した。
追跡期間中央値12.9年において、 IBDの新規発症が605例で確認され、 内訳は潰瘍性大腸炎 (UC) が497例、 クローン病 (CD) が108例であった。
主解析では、 北米および欧州における傾向スコアマッチング後の参加者1万3,970人を対象とし、 そのうち218例 (UC 163例、 CD 55例) でIBDが発症した。
この欧米コホートにおけるUPFの平均摂取量は1日あたり7.5サービングであり、 1日あたり1サービング未満の低UPF群は6.3%であった。
20年累積IBD発症リスクは、 低UPF群が0.64% (95%CI 0.63-0.65%) であり、 通常食群の1.21% (同1.18-1.25%) と比べて有意に低下した (リスク比 [RR] 0.53 [95%CI 0.51-0.55]、 調整HR [aHR] 0.56 [95%CI 0.54-0.58])。
傾向スコアマッチング解析において、 低UPF群は発症リスクの約50%低減と関連していた。
特定のUPFサブタイプにおいても有意な発症リスク低下と関連しており、 超加工穀物では低UPF群の20年累積IBD発症リスクが0.21% (aHR 0.20)、 揚げ物で0.26% (aHR 0.24)、 加工肉で0.50% (aHR 0.45)、 清涼飲料水で0.25% (aHR 0.23)、 菓子類で0.21% (aHR 0.19) であった。
また、 UPF摂取量とIBD発症リスクとの間には明確な曝露-反応関係が認められ、 摂取量が少ないほどリスクは低下した。
20年累積IBD発症リスクは、 1日あたり0.5サービング未満で0.53%と最も低く、 1.5~3サービング未満の0.95%および3サービング以上の1.24%と比べて大幅に低値であった。
CDおよびUCを個別に解析した場合でも同様の傾向が認められ、 いずれも低UPF群では有意な発症リスク低下と関連していた (CD : aHR 0.46 [95%CI 0.39-0.54]、 UC : aHR 0.52 [95%CI 0.49-0.55])。
期間層別解析において、 追跡期間が長くなるほど予防的関連は増強し、 欧米コホートでは最初の5年間のaHRが0.62であったのに対し、 15~20年では0.30まで低下した。 同様の傾向は非欧米諸国においても一貫して認められた。
著者らは 「本解析の結果、 UPF摂取量の低減が欧米集団における20年累積IBD発症リスクの低下と有意に関連することが示された。 これらの結果は、 UPF削減を推奨する食事ガイドラインの推進や、 未加工食品への補助やUPFへの課税などの政策を含む集団レベルの介入が、 IBD負担軽減に寄与する可能性を示唆している」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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