日本麻酔科学会は12月5日､ 同学会公式サイトで理事長声明を発出｡ 今月中旬に供給再開を予定していたテルモ製の強オピオイド鎮痛薬フェンタニル (商品名 : フェンタニル注射液0.25mg ｢テルモ｣ ) について､ 供給停止が継続されることを発表した｡ 

薬剤情報

フェンタニル注射液0.25mg ｢テルモ｣

｢海外生産工場での製造過程逸脱｣ が理由

供給停止の背景には､ 海外の生産工場における製造過程での逸脱がある｡ この影響で0.25mg製剤の出荷が停止し､ さらに現地当局による無通告監査を受けた結果､ 同工場での製品全体の生産が一時的に停止している｡ また､ これに伴い0.1mg製剤および0.5mg製剤の出荷も制限されているという｡

需要が高い0.1/0.5mg製剤の供給を優先､ 0.25mg製剤は供給停止が継続

現在､ 需要の高い0.1mg製剤および0.5mg製剤の供給を優先するため､ 0.25mg製剤の供給停止が継続される予定である｡ 同時に､ 出荷されるフェンタニル注射液の総量が必要量を下回る見込みがあり､ 今月から来月にかけて麻酔科医療や緩和医療領域への影響が懸念される｡

フェンタニル供給減に考慮した診療を

日本麻酔科学会は関連企業に対し､ 早期の供給再開を求める一方､ 学会員に対してはこのような事情を考慮して診療にあたるよう呼びかけている｡ また､ 関連学術団体とも情報共有を進め､ 医療現場への影響を最小限にとどめる努力を続けるとしている。

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