メイヨークリニック感染症科 松尾貴公
21日前
メイヨークリニック感染症科 松尾貴公先生による連載です。 今回は 「間違えやすい敬語」 の後編です。
一見丁寧に聞こえる表現でも、 実は間違った敬語が使用されていることがよくあります。 前回は、 代表的な間違いやすい敬語を5つ紹介しました。
特に若い人の間で使用される敬語は、 「アルバイト敬語」 「若者言葉」 と呼ばれることがあります。 軽い印象を与えたり、 誤解を生んだりしないようにするためにも、 あらためて皆さんが普段使用している敬語を見直してみましょう。
「よろしかった」 は 「よろしい」 の過去形で、 すでに完了した事柄に対して使う表現です。 これを現在の確認や質問に使うと、 事後報告のように受け取られることがあります。
適切な敬語を使うことで、 相手に正確な意図を伝えやすくなります。
「~のほう」 は、 複数の選択肢を比較するときに使う表現ですが、 不必要に多用すると回りくどい印象を与えます。
無駄な 「~のほう」 を省くことで、 簡潔で分かりやすい表現になります。
「~というかたち」 という表現は、 特にプレゼンテーションや報告で多用されがちですが、 頻出すると冗長で聴衆に違和感を与えます。 明確で端的な言い回しを心がけましょう。
普段の会話ではよく使われる表現ですが、 医療の現場ではより適切な言葉に置き換えることが重要です。
適切な敬語表現を使うことで、 患者さんや同僚に対する配慮が伝わります。
「~になります」 は、 本来変化を表す表現ですが、 誤用されることが多い表現です。
❌ こちらが検査の説明書になります
⭕️ こちらが検査の説明書です
「アルバイト敬語」 は、 無意識に使い続けていると軽い印象を与えかねません。 今回紹介した表現を見直し、 正確で適切な敬語を身につけることで、 患者さんや同僚からの信頼を得られる医師を目指しましょう。
また、 普段の会話やプレゼンテーションで無意識に使っている表現を同僚や上司に確認してもらい、 フィードバックをもらうことも効果的です。 自分で気がつかない癖を知ることができるきっかけとなることがあります。
レジデントのためのビジネススキル・マナー
医師として成功の一歩を踏み出す仕事術55
本書では自分が失敗から学んできた社会人としての院内・院外で必要なマナーや、 医師としての心得、 自己成長を成し遂げていくために必要な仕事術を解説していきます。 特に若手医師の皆さんにこれらを少しでも早い段階で共有することにより、 医師としてのキャリアを成功させるためのお手伝いが少しでもできれば幸いです。
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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