【NEJM】アミカシン吸入が人工呼吸器関連肺炎の発症を有意に抑制
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海外ジャーナルクラブ

7ヶ月前

【NEJM】アミカシン吸入が人工呼吸器関連肺炎の発症を有意に抑制

【NEJM】アミカシン吸入が人工呼吸器関連肺炎の発症を有意に抑制
Ehrmannらは、 侵襲的人工呼吸管理を72時間以上受けている成人患者を対象に、 アミカシンの予防的な吸入投与が人工呼吸器関連肺炎 (VAP) の発症を抑制するかを多施設共同二重盲検プラセボ対照無作為化優越性試験AMIKINHALで検討した。 その結果、 アミカシンの吸入投与 (1日1回3日間) は、 28日間のVAPの発症を有意に抑制した。 本研究は、 NEJM誌において発表された。 

📘原著論文

Inhaled Amikacin to Prevent Ventilator-Associated Pneumonia.N Engl J Med. 2023 Oct 25. PMID: 37888914

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

VAPに関しては本研究を含めて予防的な介入が発症を抑制する結果が散見されますが、 死亡率などのハードアウトカムに有意な差が得られるのか今後の検討が必要です。

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アミカシン

AMK(アミカシン®)

CPIS (臨床肺感染スコア)

人工呼吸器関連肺炎(VAP)の臨床呼吸器感染評価

背景

抗菌薬の予防的吸入がVAPの発症を低下させるかどうかについては確認されていない。

研究デザイン

対象

侵襲的人工呼吸管理を72時間以上96時間未満受けている成人患者

介入

患者を以下の群に1:1の割合で無作為に割り付け

  • アミカシン群:417例
標準体重1kg当たり20mgのアミカシンを1日1回3日間吸入投与
  • プラセボ群:430例
同量の0.9%塩化ナトリウムを3日間投与

主要評価項目

無作為化後の28日間のVAP発症

研究結果

有効性評価

28日時点でのVAP発症

  • アミカシン群:15%
  • プラセボ群:22%
VAP発症までの境界内平均生存期間 (RMST) の群間差:1.5日 (95%CI 0.6-2.5、 p=0.004) 

感染に関連した人工呼吸器関連合併症

  • アミカシン群:18%
  • プラセボ群:26%
HR:0.66 (95%CI 0.50-0.89) 

安全性評価

試験に関連した重篤な副作用

  • アミカシン群:1.7%
  • プラセボ群:0.9%

結論

侵襲的人工呼吸管理を3日間以上受けた患者に対して、 その後のアミカシンの3日間の吸入投与は、 28日間のVAP発症を有意に低下させた。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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