HOKUTO編集部
25日前
2024年9月5~11日に、 消化器内科・消化器外科・腫瘍内科のHOKUTO医師会員を対象に上記のアンケートを実施しました。 その結果、408人から回答が得られ、 「抗Claudin18.2抗体ゾルベツキシマブ+化学療法」 の回答者は267人 (65.4%) と最も多く、 次いで「ニボルマブ+化学療法」 (28.4%) が多い結果となりました。
胃癌の1次治療は、 抗PD-1抗体ニボルマブの導入によって、 抗HER2抗体トラスツズマブ (ハーセプチン®️) 以来の大きな進歩があった。 また2024年は、 抗PD-1抗体ペムブロリズマブと抗CLDN18.2モノクローナル抗体ゾルベツキシマブの導入により、 歴史的転換点を迎えている。
現時点で、 胃癌治療に携わる医師のほぼ全員に関心のある選択肢として、 今回は、 「CPS (+) CLDN (+) のdouble positive進行胃癌症例に対する1次治療をどうするか?」 というクリニカル・クエスチョンについてのアンケートを実施した。 設問については、 『胃癌治療ガイドライン 医師用 2021年7月改訂 第6版』の解説文も考慮して、 「CPS値は5以上」と設定した。
関心の高さを反映し、 瞬時に400人を超える回答が得られ、 大変興味ある調査結果となった。
当初予想では、 過半数は、 免疫チェックポイント阻害薬 (ICI) を選択するだろうと推測していたが、 結果的には65.4%がゾルベツキシマブを第1選択とする、 と回答している。 「CPS 5以上」 という前提条件であるため、 ICI+化学療法による治療効果は十分に期待できるにも関わらず保険適用間もないゾルベツキシマブへの期待の大きさを感じる。
ゾルベツキシマブを第1選択とするとの回答が多かった大きな理由のひとつには、 ゾルベツキシマブは1次治療限定であるが、 ニボルマブは3次治療でも投与可能、 という考え方があるものと思われる。
一方、 同時期に新たなICIとして保険収載されたペムブロリズマブも選択肢としてみたが、 こちらは6.13%であった。 ニボルマブの28.4%に比べるとまだまだ少数派といえる。
2種類のICIについては、 食道癌における保険適用の順番 (ペムブロリズマブ→ニボルマブ) が胃癌では前後逆になる現象 (ニボルマブ→ペムブロリズマブの順で承認) が起きているので、 最初に投与を開始した際の印象が良好であったため、 あえて異なる種類のICIを選択とする必要性に乏しいと考えている可能性が高い。
今回は選択肢が複雑化するため、 前提条件を単純化したが、 CPSについては、 1~5%の場合や10%以上の場合についても同様のアンケート調査を行うと、 臨床現場でのガイドラインや第Ⅲ相試験結果の解釈をより正確に把握できるかもしれない。
Claudin18.2陽性胃癌に対する「ゾルベツキシマブ」治療戦略の展望
「切除不能進行・再発胃癌バイオマーカー検査の手引き 第1.1版」が公開
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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