海外ジャーナルクラブ
1年前
D'Angelicaらは、 開腹による膵頭十二指腸切除術を受ける患者を対象に、 周術期の感染予防を目的とした広域ペニシリン系薬ピペラシリン・タゾバクタムの有効性をcefoxitinを対照に非盲検多施設共同第Ⅲ相ランダム化比較試験で検討。 その結果、 ピペラシリン・タゾバクタムを使用することにより、 術後の手術部位感染症 (SSI)、 膵液瘻、 およびSSIの複数の下流後遺症が減少した。 本研究はJAMAにおいて発表された。
SSIのみならず、 術後膵液瘻の発生頻度を減らしているところが大変興味深いです。 術中、 術後の培養結果が分からないのでなんともなのですが、 圧倒的にpositive impactの方が強い研究成果です。
周術期死亡率の改善にもかかわらず、 膵頭十二指腸切除術後の術後手術部位感染 (SSI) の発生率は依然として高い。 SSIを減少させるための広域抗菌薬による外科的予防の効果は十分に理解されていない。
開腹膵頭十二指腸切除術を受ける成人患者
患者は以下の2群に割り付け
30日以内の術後SSIの発症
30日死亡率、 臨床的に重要な術後膵液瘻および敗血症の発生
30日後の術後SSIの割合は、 介入群の方が対照群よりも有意に低かった。
術後の敗血症および臨床的に重要な術後の膵液瘻の発生率は、 介入群で有意に低かった。
術後敗血症
臨床的に重要な術後の膵液瘻
開腹膵頭十二指腸切除術を受けた参加者において、 周術期予防薬としてピペラシリン・タゾバクタムを使用することにより、 術後のSSI、 膵液瘻、 およびSSIの複数の後遺症が減少した。 この結果は、 開腹膵頭十二指腸切除術の標準治療としてピペラシリン・タゾバクタムを使用することを支持するものである。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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