メイヨークリニック感染症科 松尾貴公
4ヶ月前
メイヨークリニック感染症科 松尾貴公先生による連載です。 今回は 「間違えやすい敬語」 について解説します。
皆さんはこれまでに、 敬語を学ぶ機会がどれくらいあったでしょうか?
学生時代にアルバイトを通じて学んだ方もいるかもしれません。 一方で、 敬語を体系的に学ぶ機会があまりなかったという方も少なくないと思います。
目の前の患者さんのケアに全力を注ぎ、 指導医から高い評価を受けたとしても、 敬語の使い方を間違えるとその評価が下がってしまうかもしれません。
今後、 社会人として損をしないよう、 正しい敬語を身につけましょう。 前編では、 代表的な間違いやすい敬語を5つご紹介します。
「了解」 は目上の人が目下の人に使う言葉であり、 上司や指導医に対して使用するのは不適切です。 適切な表現を使うことで、 相手に対する敬意を示しましょう。
❌ 了解です
⭕️ わかりました / 承知しました / 承りました
相槌として便利な 「なるほど」 ですが、 目上の人に使うと失礼にあたることがあります。
❌ なるほど
⭕️ はい / そうでしたか / 勉強になります
「ご苦労さまです」 は、 目上の人が目下の人に対して使うねぎらいの表現です。 指導医や上司に対しては避けるべきとされています。
❌ ご苦労さまです
⭕️ お疲れさまです
患者さんや院外の人に対して、 院内の人を敬う表現を使うのは 「身内敬語」 であり不適切です。 場に応じて言葉を選びましょう。
❌ 部長の〇〇先生が仰ったとおり
⭕️ 部長の〇〇 / 〇〇医師が申し上げたとおり
名前はやり取りするものではないため、 この表現は不適切です。 一方、 「ご連絡先を頂戴できますか」 は正しい表現です。
❌ お名前を頂戴できますか
⭕️ お名前を教えていただけますか
敬語の誤用は、 無意識のうちに相手に不快感を与える可能性があります。 まずはこれらの例を意識し、 日常会話で適切な表現を使うことを心がけましょう。
次回は後編として、 「アルバイト敬語」 について解説します。
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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