海外ジャーナルクラブ
11ヶ月前
Mooreらは、 葉酸受容体α (FRα) 高発現でプラチナ製剤抵抗性の高悪性度漿液性卵巣癌患者を対象に、 新規抗体薬物複合体mirvetuximab soravtansine (MIRV) の有効性と安全性を第Ⅲ相無作為化非盲検試験MIRASOLで検討した。 その結果、 MIRVによる治療は化学療法と比較して無増悪生存期間 (PFS)、 全生存期間 (OS) および客観的奏効率 (ORR) で有意な改善を示した。 本研究はNEJM誌において発表された。
Abstractの結論はAmong participants with platinum-resistant, FRα-positive ovarian cancer, treatment with MIRV showed a significant benefit over chemotherapyrとはっきり書いています。 よくあることなのですが、 本文の結論の語気はかなり弱く、 MIRV appears to be capable of inducing responses and improving survival in patients with platinum-resistant, FRα-positive ovarian cancerとなっています。
MIRVはFRαを標的とするFirst in Classの抗体薬物複合体で、 米国においてプラチナ製剤抵抗性卵巣癌の治療薬として迅速承認されている。
1~3レジメンの前治療を受けたFRα高発現プラチナ製剤抵抗性高悪性度漿液性卵巣癌患者 : 453例
患者を以下の群に1 : 1の割合で無作為に割り付けた。
担当医評価によるPFS
ORR、 OS、 患者報告アウトカム
主要評価項目
PFS中央値
化学療法群に比しMIRV群において有意に延長した。
p<0.001
副次評価項目
ORR
化学療法群に比し、 MIRV群において有意に高かった。
OR 3.81(95%CI 2.44-5.94)、p<0.001
OS中央値
化学療法群に比し、 MIRV群において有意に延長した。
死亡のHR 0.67(95%CI 0.50-0.89)、p=0.005
Grade3以上の有害事象の発現
重篤な有害事象(全Grade)の発現
治療中止に至った有害事象
FRα高発現でプラチナ製剤抵抗性の高悪性度漿液性卵巣癌患者において、 MIRVによる治療は化学療法と比較してPFS、 OS、 ORRにおいて有意な改善をもたらした。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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