海外ジャーナルクラブ
9ヶ月前

Audisioらは、 局所進行直腸癌患者を対象に、 Total Neoadjuvant Therapy (TNT) *の使用実態と治療成績を国際多施設共同の症例集積研究で検討した。 その結果、 日常診療で実施されたTNTレジメンにはばらつきはあるものの、 全体集団の有効性は臨床試験で報告された結果と概ね一致しており、 かつ傾向ベクトルマッチング後に各レジメンで有意差が認められなかったことから、 特定のレジメンに関係なくTNTが臨床において有効であることが示唆された。 本研究はJAMA Oncol誌において発表された。
JAMA特有のMeaningには 「この研究は、 日常診療で使われているTNTの選び方にはかなりの違いがあるものの、 どの治療法でも効果は臨床試験と同じように良好で、 治療法ごとの差もほとんどないことを示している」 と記載されています。
局所進行直腸癌患者を対象に、 日常診療におけるTNTの使用実態と治療成績を検討する目的で、 国際多施設共同の症例集積研究を実施した。
同研究の対象は、 21ヵ国61施設において、 試験外でTNTを実施したⅡ/Ⅲ期の局所進行直腸癌患者1,585例。 主要評価項目は実施されたTNTの種類だった。 副次評価項目は患者背景、 治療アドヒアランス、 安全性、 ならびに全体およびTNTの種類別の有効性であり、 全集団および傾向ベクトルマッチング後の集団において評価された。
対象患者1,585例の年齢中央値は61歳 [四分位範囲 53-68歳]で、 37.1%が女性であった。 79.5%で1つ以上の高リスク因子 (例 : cT4、 cN2、 壁外静脈浸潤、 直腸間膜筋膜への浸潤・その疑い、 側方骨盤リンパ節腫脹) を有していた。
日常診療で実施されたTNTのレジメンには、 以下のようにばらつきがあった。
TNT後、 12.1%が経過観察、 1.9%が局所切除を受けた。 病理学的または臨床的完全奏効 (pCR/cCR) は全体の23.2%で報告された。
治療失敗例のうち、 局所進行は8.5%、 遠隔転移は16.4%であった。
全体集団における3年無イベント生存 (EFS) 率は68% (95%CI 64-71%)、 5年全生存 (OS) 率は79% (同75-83%) だった。
レジメン別では、 PRODIGE23様レジメンで治療された患者は重篤な有害事象の発現率が23.5%で最も高かったものの、 以下のレジメンと比べて局所制御および生存転帰が良好であった。
一方で、 傾向ベクトルマッチング後の集団 (928例 [58.5%] ) においては、 TNTレジメン間の生存転帰に有意差は認められなかった。
著者らは 「本研究の結果は、 TNTレジメンの選択にかなりのばらつきがあることを示しており、 全体としては臨床試験で報告された結果と概ね一致していた。 これらの知見は、 特定のレジメンに関係なく、 TNTが臨床において有効であることを示唆している」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。