海外ジャーナルクラブ
8ヶ月前

Malgieらは、 左室駆出率低下型心不全 (HFrEF) のガイドライン推奨薬物療法について、 病期別の導入状況と1年後の予後および左室駆出率 (LVEF) に与える影響を検討した。 その結果、 6週間以内の早期4剤併用と6ヵ月時の高用量投与がより大きなLVEF改善をもたらすほか、 継続的な用量調整が良好な予後に関与することが示された。 試験結果はEur J Heart Fail誌に発表された。
本研究は12ヵ月のフォローアップを完了した患者のみに基づいており、 ガイドライン推奨薬物療法導入率の過大評価を招く可能性があります。 また、 連続的なLVEF評価は限られた症例でのみ実施されており、 選択バイアスの可能性があります。
ガイドライン推奨薬物療法は左室駆出率低下型心不全 (HFrEF) の予後を改善するとされているが、 実臨床での導入はいまだに不十分である。 そこで、 HFrEFの病期別のガイドライン推奨薬物療法の導入状況と、 それが1年後の予後および左室駆出率 (LVEF) に与える影響を、 観察コホート研究TITRATE-HFで前向きに評価した。
TITRATE-HFは、 オランダの48施設で2022年6月~2024年2月に実施された。 合計4,288例の患者が登録されたが、 本解析ではHFrEF患者3,367例の12ヵ月間の追跡データを元に、 患者を新規発症群、 慢性化群、 増悪群に分類した。 ガイドライン推奨薬物療法の処方率と投与量の経時的推移を明らかにし、 連続心エコーデータを用いてベースラインから12ヵ月後までのLVEFの変化を評価した。 またKaplan-Meier法により複合エンドポイント (全死亡または心不全による入院) についても評価した。
対象患者の年齢は中央値71歳、 性別は女性29%、 非虚血性心筋症を有する患者は56%であった。
HFrEF新規発症群 (1,353例) での4剤併用率は、 6週時点で47.2%、 3ヵ月で64.7%、 6ヵ月で69.5%、 12ヵ月で64.4%であった。
慢性・増悪群 (1,625例) の4剤併用率は、 ベースライン時44.6%から12ヵ月で54.6%に増加し、 主にSGLT2阻害薬の使用率が増加した (66.0%から78.5%)。
連続心エコーを受けた新規発症患者 (752例) において、 LVEF (中央値) は、 虚血性心筋症を有する患者では10% (四分位範囲 3–17%) 改善したのに対し、 非虚血性心筋症を有する患者では15% (四分位範囲 9–24%) の改善と統計的に有意であった (p<0.001)。
そして、 6週間以内の早期4剤併用導入および6ヵ月時点での高用量投与は、 より大きなLVEF改善と関連していた。
12ヵ月時点の複合エンドポイント発生率は、 新規発症群で13.3%、 慢性群で13.3%、 増悪群で43.8%であった。
著者らは、 「本解析結果は、 ガイドライン推奨薬物療法の早期かつ集中的な導入の重要性を強調している。 加えて、 導入後の継続的な用量調整が、 LVEFおよび臨床転帰の改善に必要であることも示された」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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