海外ジャーナルクラブ
2年前
Moriらは, AIを用いた大腸内視鏡によるポリープ切除術が, その後のサーベイランスに対する患者負担にどのように影響するかを検討する目的で, 無作為化対照試験の統合解析を実施. その結果, 大腸内視鏡検査における AI の使用は, 集中的な検査を必要とする患者の割合を米国で約 35%, 欧州で 20%増加させ, 癌予防に寄与する可能性があるが, 患者負担と医療費を増加させる可能性があることが明らかとなった. 本研究は, Clin Gastroenterol Hepatol誌において発表された.
本研究成果の意義は, 従来の医師の判断だけによる臨床現場に対しての指針(ガイドライン)にAIを単純に組み合わせると, どの疾病においてもおそらく予防効果は高まるが, 患者負担+医療費負担が高くなることを意味しているのだと思います. これからAIサポートありきに根本的に価値基準を変更して様々な改良が行われることを期待しています.
ポリープ検出の改善を目的としたAIツールは, 大腸内視鏡検査時の腺腫検出率を向上させることが示されている. しかし, AIによるポリープ検出率の向上が, ポリープ切除後の患者サーベイランスにどのように影響するかは不明である.
大腸内視鏡検査における AI の使用は, 集中的な大腸内視鏡検査を必要とする患者の割合を米国で約35%, 欧州で約20%増加させた(それぞれ2.9%, 1.3%の絶対増加).これはがん予防の向上に寄与する可能性がある一方で, 患者の負担と医療費を著しく増加させるものである.
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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