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22日前

【NEJM】侵襲的機械的換気のSpO₂目標値 94%以下、 人工呼吸器離脱日数に差なし

Semlerらは、 侵襲的機械的換気を実施している成人患者を対象に、 最適な酸素飽和度 (SpO₂) の目標値を実用的クラスター無作為化クロスオーバー試験で検討 (PILOT試験)。 その結果、 SpO₂目標値を低、中、高とした群間で、 人工呼吸器離脱日数に差はなかった。 本研究は、 NEJM誌において発表された。

📘原著論文

Oxygen-Saturation Targets for Critically Ill Adults Receiving Mechanical Ventilation. N Engl J Med. 2022 Oct 24. doi: 10.1056/NEJMoa2208415.PMID: 36278971

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

よく観察研究で見られる暴露と転帰不良をU字型で描いた図があります。 つまり真ん中の部分は転帰不良が少ない (転帰良好) であることがあり、 両端は転帰不良であることが報告されます (血糖値などを考えると分かりやすいです)。 今回はSpO₂を3群で比較しましたが、 そのような傾向はなく、 一定であったことは大きな意味があります。


背景

重症成人における侵襲的機械的換気では、 動脈血SpO₂を維持するために吸入酸素量を調節する。 しかし臨床転帰を最適化するためのSpO₂目標値はまだ不明である。

研究デザイン

  • 対象:人工呼吸を受ける成人患者 2,541名
  • SpO₂目標値ごとに患者を3群に割り付け
  1. 低目標値:90% (目標88~92%)
  2. 中間目標値:94% (目標92~96%)
  3. 高目標値:98% (目標96~100%)
  • 主要評価項目①:28日目までの生存日数
  • 主要評価項目②:人工呼吸器離脱日数
  • 副次評価項目:28日目までの死亡

研究結果

呼吸器離脱日数に有意差なし

  • 低目標値群 (90%):中央値 20日
  • 中間目標値群 (94%):中央値 21日
  • 高目標値群 (98%):中央値 21日

28日目までの院内死亡に有意差なし

  • 低目標値群 (90%):34.8%
  • 中目標値群 (94%):34.0%
  • 高目標値群 (94%):33.2%

その他、 心停止、不整脈、心筋梗塞、脳卒中、気胸の発生率は、 3群間でほぼ同等であった。

結論

侵襲的機械的人工呼吸を受けている重症成人において、 SpO₂目標値を低、中、高とした群間で、 人工呼吸器離脱日数に差はなかった。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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