海外ジャーナルクラブ
2年前
Semlerらは、 侵襲的機械的換気を実施している成人患者を対象に、 最適な酸素飽和度 (SpO₂) の目標値を実用的クラスター無作為化クロスオーバー試験で検討 (PILOT試験)。 その結果、 SpO₂目標値を低、中、高とした群間で、 人工呼吸器離脱日数に差はなかった。 本研究は、 NEJM誌において発表された。
よく観察研究で見られる暴露と転帰不良をU字型で描いた図があります。 つまり真ん中の部分は転帰不良が少ない (転帰良好) であることがあり、 両端は転帰不良であることが報告されます (血糖値などを考えると分かりやすいです)。 今回はSpO₂を3群で比較しましたが、 そのような傾向はなく、 一定であったことは大きな意味があります。
重症成人における侵襲的機械的換気では、 動脈血SpO₂を維持するために吸入酸素量を調節する。 しかし臨床転帰を最適化するためのSpO₂目標値はまだ不明である。
その他、 心停止、不整脈、心筋梗塞、脳卒中、気胸の発生率は、 3群間でほぼ同等であった。
侵襲的機械的人工呼吸を受けている重症成人において、 SpO₂目標値を低、中、高とした群間で、 人工呼吸器離脱日数に差はなかった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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