海外ジャーナルクラブ
5日前

Heerspinkらは、 レニン・アンジオテンシン系 (RAS) 阻害薬およびSGLT2阻害薬による治療下のIgA腎症成人患者を対象に、 選択的エンドセリンA (ETA) 受容体拮抗薬atrasentanの有効性および安全性を第Ⅱ相二重盲検プラセボ対照無作為化クロスオーバー試験で検討した。 その結果、 atrasentan追加により、 蛋白尿の指標である尿蛋白/クレアチニン比 (UPCR) の12週時における幾何平均変化率は25.3%減少し、 新たな安全性シグナルは検出されなかった。 本研究はJ Am Soc Nephrol誌において発表された。
本研究の限界として、 比較的少ない症例数、 短い観察期間、 および代替エンドポイントを用いた点があり、 特に探索的な推定糸球体濾過量 (eGFR) の結果には慎重な解釈が必要です。
atrasentanはETA受容体拮抗薬であり、 IgA腎症成人患者における蛋白尿の低減を適応として海外で承認されている。 IgA腎症の治療ではRAS阻害薬およびSGLT2阻害薬がガイドラインで推奨されているが、 これらにatrasentanを追加した際の有効性については、 これまで十分に評価されていない。
最大用量かつ安定したRAS阻害薬およびSGLT2阻害薬による治療下にあり、 eGFRが30mL/分/1.73m²以上、 尿蛋白が0.5g/日超のIgA腎症成人患者を対象に、 第Ⅱ相二重盲検プラセボ対照無作為化クロスオーバー試験を実施した。
対象患者54例が以下のシーケンスに1 : 1で無作為に割り付けられた。
主要評価項目は12週時のUPCRの変化、 副次評価項目は24週時のUPCRの変化であった。 安全性評価項目には有害事象 (AE) の種類、 発現率、 重症度、 重篤度、 および治験薬との関連性が含まれた。
対象患者の平均年齢は48歳 (標準偏差 [SD] 12歳)、 女性は43%、 平均eGFRは63mL/分/1.73m² (SD 22mL/分/1.73m²)、 UPCR中央値は1.0g/g (四分位範囲 0.7-1.4g/g) であった。
12週時におけるUPCRの幾何平均変化率は、 プラセボ群と比べてatrasentan群で-25.3% (95%CI -36.8~-11.7%、 p<0.001) の有意な減少が認められた。
治療期間2の24週時におけるUPCRの幾何平均変化率は、 プラセボ群と比べてatrasentan群で-26.4%の減少が認められた (95%CI -45.8~-0.0%)。
治療関連ではない重篤なAEが1件認められた。 体液貯留イベントの発現は稀であり、 入院を要した症例はなかった。 治療関連有害事象による治験薬の中止および死亡例は報告されなかった。
著者らは 「atrasentanは、 RAS阻害薬およびSGLT2阻害薬による治療下で尿蛋白が0.5g/日超のIgA腎症成人患者において、 臨床的に意義のある蛋白尿の減少をもたらした。 また、 atrasentanは良好な忍容性を示し、 新たな安全性シグナルは検出されなかった」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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