【TAX 327試験】前立腺癌に対するドセタキセル、 プレドニゾロン
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HOKUTO編集部

1年前

【TAX 327試験】前立腺癌に対するドセタキセル、 プレドニゾロン

【TAX 327試験】前立腺癌に対するドセタキセル、 プレドニゾロン
アンドロゲン除去療法を受けている転移性進行性前立腺癌患者において、 ドセタキセル (DTX) 3週毎投与もしくは毎週投与+プレドニゾロン (PSL) の効果を、 ミトキサントロン (MITX) +PSLを対照に検証した第Ⅲ相比較試験TAX 327の結果より、 全生存期間 (OS) に対する有効性が示された。

原著論文

▼中間解析結果

Docetaxel plus prednisone or mitoxantrone plus prednisone for advanced prostate cancer. N Engl J Med. 2004 Oct 7;351(15):1502-12. PMID: 15470213

▼追跡結果

Docetaxel plus prednisone or mitoxantrone plus prednisone for advanced prostate cancer: updated survival in the TAX 327 study. J Clin Oncol. 2008 Jan 10;26(2):242-5. PMID: 18182665

関連レジメン

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TAX 327試験の概要

対象

アンドロゲン除去療法を受けている転移性進行性前立腺癌患者

方法

1,006例を以下の3群に1:1:1で割り付けた。

  • ドセタキセル3週毎投与+PSL群 (335例)
DTX75mg/m²を21日毎投与+PSL5㎎を1日2回投与、 最大10サイクル
  • ドセタキセル毎週投与+PSL群 (334例)
DTX30mg/m²を6週サイクルでday1、 8、 15、 22、 29に投与+PSL5㎎を1日2回投与、 最大5サイクル
  • ミトキサントロン+PSL群 (337例)
MITX12㎎/m²を21日毎投与+PSL5㎎を1日2回投与、 最大10サイクル

評価項目

主要評価項目

  • OS

副次評価項目

  • 疼痛が軽減した患者の割合 (Present Pain Intensity Scoreを使用し評価) 
  • 血清PSA値の50%以上の低下
  • 奏効率
  • Quality of Life (QOL) が改善した患者の割合
Functional Assessment of Cancer Therapy-Prostateが16ポイント以上改善した患者の割合
  • 安全性

TAX 327試験の結果

患者背景

  • 3群で同様であった。
  • MITX群の20%がその後DTXを投与され、 DTX3週毎投与群の27%、 DTX毎週投与群の24%がその後MITXを投与された。

OS中央値

  • ドセタキセル3週毎投与+PSL群:19.2 ヵ月
(95%CI 17.5-21.3ヵ月)
  • ドセタキセル毎週投与+PSL群:17.8 ヵ月
(95%CI 16.2-19.2ヵ月)
  • ミトキサントロン+PSL群:16.3 ヵ月
(95%CI 14.3-17.9ヵ月)

ドセタキセル3週毎投与+PSL群 vs ミトキサントロン+PSL群

HR 0.79 (95%CI 0.67-0.93)、 p=0.004

ドセタキセル毎週投与+PSL群 vs ミトキサントロン+PSL群

HR 0.87 (95%CI 0.74-1.02)、 p=0.086

OS率 (3年時) 

  • ドセタキセル3週毎投与+PSL群:18.6%
  • ドセタキセル毎週投与+PSL群:16.8%
  • ミトキサントロン+PSL群:13.5%

OSのサブグループ解析

年齢、 ベースラインのPSA値に関わらず、 DTX3週毎投与+PSL群はMITX+PSL群と比較しOSに対する有益性が認められた。

疼痛が軽減した患者の割合

  • ドセタキセル3週毎投与+PSL群:35%
(95%CI 27-43%)
  • ドセタキセル毎週投与+PSL群:31%
(95%CI 24-39%)
  • ミトキサントロン+PSL群:22%
(95%CI 16-29%)

ドセタキセル3週毎投与+PSL群 vs ミトキサントロン+PSL群

p=0.01

ドセタキセル毎週投与+PSL群 vs ミトキサントロン+PSL群

p=0.08

血清PSA値の50%以上低下した患者の割合

  • ドセタキセル3週毎投与+PSL群:45%
(95%CI 40-51%)
  • ドセタキセル毎週投与+PSL群:48%
(95%CI 42-54%)
  • ミトキサントロン+PSL群:32%
(95%CI 26-37%)

ドセタキセル3週毎投与+PSL群 vs ミトキサントロン+PSL群

p<0.001

ドセタキセル毎週投与+PSL群 vs ミトキサントロン+PSL群

p<0.001

奏効率

  • ドセタキセル3週毎投与+PSL群:12%
(95%CI 7-19%)
  • ドセタキセル毎週投与+PSL群:8%
(95%CI 4-14%)
  • ミトキサントロン+PSL群:7%
(95%CI 3-12%)

ドセタキセル3週毎投与+PSL群 vs ミトキサントロン+PSL群

p=0.11

ドセタキセル毎週投与+PSL群 vs ミトキサントロン+PSL群

p=0.59

QOLが改善した患者の割合

  • ドセタキセル3週毎投与+PSL群:22%
(95%CI 17-27%)
  • ドセタキセル毎週投与+PSL群:23%
(95%CI 18-28%)
  • ミトキサントロン+PSL群:13%
(95%CI 9-18%)

ドセタキセル3週毎投与+PSL群 vs ミトキサントロン+PSL群

p=0.009

ドセタキセル毎週投与+PSL群 vs ミトキサントロン+PSL群

p=0.005

有害事象 (AE)

発熱性好中球減少症は、 まれであった。 

  • ドセタキセル3週毎投与+PSL群:3%
  • ドセタキセル毎週投与+PSL群:0%
  • ミトキサントロン+PSL群:2%

少なくとも1つの重篤な有害事象が認められたのは、 以下の通りであった。

  • ドセタキセル3週毎投与+PSL群:26%
  • ドセタキセル毎週投与+PSL群:29%
  • ミトキサントロン+PSL群:20%

有害事象のほとんどは、ドセタキセル群の方がミトキサントロン群より頻度が高いが、 DTX3週毎投与群とDTX毎週投与群の間には差はみられなかった。

著者らの結論

アンドロゲン除去療法を受けている転移性進行性前立腺癌患者において、 DTX3週毎投与+PSL群はMITX+PSL群と比較し、 OSを有意に延長することが示された。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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