【JAMA Surg】癌手術患者のQOL、専門医による早期緩和ケア介入で改善せず
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海外ジャーナルクラブ

1年前

【JAMA Surg】癌手術患者のQOL、専門医による早期緩和ケア介入で改善せず

【JAMA Surg】癌手術患者のQOL、専門医による早期緩和ケア介入で改善せず
Shinall Jrは、 腹部の癌に対する手術を受ける患者を対象に、 専門医による緩和ケアの早期介入の効果を単施設ランダム化比較試験で検討。 その結果、 早期の専門家による緩和ケアが患者のQOLを改善する証拠は見つからなかった。 本研究はJAMA Surg誌において発表された。

📘原著論文

Effects of Specialist Palliative Care for Patients Undergoing Major Abdominal Surgery for Cancer: A Randomized Clinical Trial. JAMA Surg. 2023 May 10;e231396. PMID: 37163249

👨‍⚕️監修医師のコメント

こういう効果のない結果は次の研究課題を導きます。 どのspecificな患者群に対して、 どのタイミングで、 どんな方法で専門的な緩和を行えば逆に効果が期待できるのか、 さらなる研究が期待されます。


背景

専門的な緩和ケアは、 癌の内科的治療を受けている患者に有益であるが、 外科的治療を受ける患者に対して同等の効果があるかは明らかでなかった。

研究デザイン

対象

腹腔内の癌手術を予定している患者

介入

  • 介入群:専門医による術前相談と術後の入院・外来緩和ケアフォローアップを90日間実施
  • 対照群:通常ケア

主要評価項目

術後90日時点の身体的・機能的QOLをFunctional Assessment of Cancer Therapy-General (FACT-G) Trial Outcome Index (TOI) により測定

副次評価項目

術後90日時点の全体的なQOL、 自宅での生存日数、 1年全生存率

研究結果

主要評価項目

身体的・機能的QoLの指標であるFACT-G TOIの調整済み中央値スコアは、 群間で差がなかった(P=0.46)。

  • 介入群:46.77、 95%CI 44.18-49.04
  • 対照群:46.23、 95%CI 43.08-48.14
OR 1.17 (95%CI 0.77-1.80)

副次評価項目

緩和ケアは、 FACT-Gスコアで測定される全体的なQOL、自宅での生存日数、1年全生存を改善しなかった。

  • 全体的なQOL:OR 1.09 (95%CI 0.75-1.58)
  • 自宅での生存日数:OR 0.87 (95%CI 0.69-1.11)
  • 1年全生存:HR 0.97 (95%CI 0.50-1.88)

結論

早期の専門家による緩和ケアが、 非緩和的な癌手術を受ける患者のQOLを改善する証拠は示されなかった。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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