HOKUTO編集部
10日前
解説 : 赤松弘朗先生¹⁾ / 監修 : 津谷康大先生²⁾
※本記事はアンケート機能を活用したユーザー参加型のコンテンツとなります。 ご利用には最新バージョンのアプリが必要となります。 お手数おかけいたしますが、 バージョンのご確認をお願いいたします。
Ⅳ期EGFR遺伝子変異陽性例に対する1次治療では、 無増悪生存期間 (PFS) 成績において第3世代EGFR-TKIオシメルチニブを上回る併用レジメンが複数登場した。 これらの併用レジメンは、 EGFR exon21 L858R点突然 (以下、 Exon21 L858R) 変異陽性や脳転移など、 オシメルチニブ単剤の有効性がやや低い集団でも有効性が示されている一方で、 副作用への懸念もある。
また、 オシメルチニブ単剤を初回治療で使⽤した場合、 多くの患者の2次治療はプラチナ製剤+ペメトレキセドになると考えられ、 FLAURA2試験¹⁾で示された初回治療のPFSのみで標準治療が大きく変わると考えるのは時期尚早である。
MARIPOSAレジメンはプラチナ製剤併用療法を2次治療以降に温存できるというメリットがある一方で、 最近示された全生存期間 (OS) のデータ²⁾はFLAURA2試験と同程度であった。
詳細は、 以下の試験成績を参照いただきたい。
切除不能肺癌の治療においては基本的に治療に終了はないため、 PFSも重要であるが、 OSはさらに重要であると思われる。
FLAURA2試験、 MARIPOSA試験の結果はともに、 PFSはオシメルチニブ単剤よりも良好であり、 OSも良好な傾向が示されている。
OSの最終結果が待たれるが、 有効性に大きな違いがなければ、 個人的には使い慣れたEGFR-TKI、 化学療法という意味でFLAURA2を選択する可能性が高いと思うが、 有害事象のプロファイルの違いは考慮すべきである。
よって3に考えが近い。
未治療のEGFR変異 (Exon19欠失変異またはExon21 L858R点突然変異) 陽性進行非小細胞肺癌 (NSCLC) 患者 : 556 例
局所進行 (ⅢB~ⅢC期) または転移性 (Ⅳ期) のEGFR変異 (Exon19欠失変異またはExon21 L858R点突然変異) 陽性NSCLC患者 : 557例
局所進行または転移性のEGFR変異 (Exon19欠失変異またはExon21 L858R点突然変異) 陽性NSCLC患者 : 1,074例
各試験の結果は下記の通りであった。
出典
1) N Engl J Med. 2023; 389: 1935-1948.
2) N Engl J Med. 2024; 391: 1486-1498.
第1回 切除不能EGFR陽性のⅢ期肺腺癌、 オシメルチニブは導入しますか?
第2回 ALK変異陽性のstage Ⅳ肺腺癌、 ロルラチニブは導入しますか?
Osimertinib+CDDP (CBDCA) / PEM
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。