海外ジャーナルクラブ
3日前

Ostinelliらは、 成人うつ病患者を対象に、 抗うつ薬治療開始後8週間の心拍数補正QT間隔 (QTc) への影響および早期主要心血管イベント (MACE) との関連について、 二重盲検無作為化比較試験の個別患者データによるネットワークメタ回帰と集計データのメタ解析で検討した。 その結果、 プラセボに比べ、 エスシタロプラム (8.7ms) とアミトリプチリン (5.3ms) はQTc延長と関連した。 一方、 抗うつ薬と早期MACE・非自殺性死亡増加との関連は認められなかった。 研究結果はBMJ誌に発表された。
査読によるものですが、 1ページにわたってlimitationが記載されています。
本研究では、 成人のうつ病治療開始後8週間において、 各抗うつ薬が心拍数補正QT間隔 (QTc) に及ぼす影響をプラセボと比較するとともに、 抗うつ薬が早期の主要心血管イベント (MACE) と関連するかどうかを検討した。
本研究は、 18歳以上のうつ病患者を対象とする二重盲検無作為化比較試験 (RCT) の個別患者データを用いたネットワークメタ回帰と、 集計データによるペアワイズメタ解析である。
同定された130試験中35試験で8,679例のQTc関連の個別患者データが得られ、 プラセボと10種類の抗うつ薬 (アミトリプチリン、 bupropion、 デュロキセチン、 エスシタロプラム、 fluoxetine、 ミルタザピン、 パロキセチン、 トラゾドン、 ベンラファキシン、 ボルチオキセチン) が解析対象となった。
主要評価項目は、 各抗うつ薬およびプラセボに伴うQTc Fridericia (QTcF) の変化とした。 早期MACEは、 抗うつ薬とプラセボを比較するペアワイズメタ解析で評価した。
エスシタロプラム (8.7ms [95%CrI* 1.6-15.8ms]) とアミトリプチリン (5.3ms [95%CrI 0.8-9.8ms]) は、 プラセボと比べてQTc間隔延長と関連した。
一方、 リスク因子を考慮した解析では、 ベンラファキシンとボルチオキセチンは最も短いQTc間隔と関連した。
QTcへの影響には患者背景によるばらつきが大きく、 特にエスシタロプラム、 fluoxetine、 ミルタザピンで顕著であった。
139試験5万2,398例の解析では、 抗うつ薬と早期MACEおよび非自殺性死亡の発生率増加との関連は認められなかった (リスク差0.01%㌽ [95%CrI -0.01~0.02%㌽])。
著者らは、 「成人うつ病患者における抗うつ薬のQTc間隔への影響は薬剤ごとに異なり、 早期MACEや非自殺性突然死との関連は示されなかった。 抗うつ薬選択では有益性と有害性のバランスを踏まえ、 修正可能・不可能な個々のリスク因子を考慮すべきである」と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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