海外ジャーナルクラブ
26日前

Hunterらは、 HER2陽性乳癌またはトリプルネガティブ乳癌患者を対象に、 血中循環腫瘍DNA (ctDNA) を用いた微小残存病変 (MRD) 評価による予後層別化の有用性を前向き多施設共同研究で評価した。 その結果、 術前療法後のctDNAは病理学的完全奏効 (pCR) 達成の有無を予測する指標とはならなかったものの、 再発リスクを含む予後層別化に有用であった。 本研究はJ Clin Oncol誌において発表された。
術前療法期間中に複数時点での検体採取が行われておらず、 術後1年以上の血液サンプルも限られており、 また一部の解析では症例数が比較的少ない点もlimitationとして挙げられます。
II/III期のHER2陽性乳癌またはトリプルネガティブ乳癌患者では、 しばしば術前療法が実施される。 pCRは良好な予後と相関することが知られているが、 pCRを達成しなかった患者でも長期生存するケースが認められている。
ctDNAを用いたMRD評価は、 従来の病理学的評価を補完し、 より精緻なリスク層別化をもたらす可能性がある。
HER2陽性乳癌またはトリプルネガティブ乳癌患者220例 (HER2陽性乳癌 48%、 トリプルネガティブ乳癌 52%) を対象に、 腫瘍特異的な超高感度ctDNAアッセイ (100ppm未満) を用いた前向き多施設共同研究を実施した。
主要目的は、 術前療法後のctDNAが、 pCRに対して90%以上の陰性的中率 (NPV) を示すかどうかを判定することであった。 また、 トリプルネガティブ乳癌コホートにおける副次目的として、 ctDNAと5年浸潤性無病生存率 (IDFS) との関連が評価された。 ctDNAは、 ベースライン時、 術前療法後 (手術前)、 および術後に評価された。
評価対象患者のうち91例 (41%) がpCRを達成した。
主要評価項目は達成されなかった。 pCRを達成した患者は全例で術前療法後にctDNA陰性であったが、 pCRを達成しなかった患者の40%もctDNA陰性であった (NPV 60% [95%CI 0.50-0.69%])。
副次評価項目は達成された。 術前療法後に検出可能なctDNAは、 pCRの有無に依らず再発の予後因子であった (HR 8.9 [95%CI 2.4-33]、 p=0.001)。
さらに、 術後に検出可能なctDNAは、 極めて高い再発リスクを有する患者を特定した (HR 128 [95%CI 15-1,083]、 p<0.001)。 一方で、 術後にctDNA陰性であった患者の5年IDFSは94%であった。
著者らは 「HER2陽性乳癌およびトリプルネガティブ乳癌において、 術前療法後のctDNAはpCR達成の有無を予測する指標とはならなかったものの、 優れた予後層別化を可能にし、 極めて良好な転帰が期待される患者と、 再発リスクが極めて高い患者の同定に有用であった。 これらの結果は、 ctDNAに基づくデ・エスカレーションおよびエスカレーション戦略を支持している」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。