【Blood】既治療CLLへのアカラブルチニブ vs イブルチニブの安全性評価
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海外ジャーナルクラブ

1年前

【Blood】既治療CLLへのアカラブルチニブ vs イブルチニブの安全性評価

【Blood】既治療CLLへのアカラブルチニブ vs イブルチニブの安全性評価
Seymourらは、 治療歴のある慢性リンパ性白血病 (CLL) 患者を対象に、 BTK阻害薬であるアカラブルチニブとイブルチニブの安全性をELEVATE-RR試験の事後解析で検討。 その結果、 アカラブルチニブとイブルチニブにおける一般的な有害事象 (adverse event:AE)、 臨床的に重要と考えられる有害事象 (events of clinical interest:ECI) について詳細が明らかとなった。 本研究は、 Blood誌において発表された。 

📘原著論文

Detailed safety profile of acalabrutinib vs ibrutinib in previously treated chronic lymphocytic leukemia in the ELEVATE-RR trial. Blood. 2023 Aug 24;142(8):687-699. PMID: 37390310

👨‍⚕️監修医師のコメント

open labelの研究デザインになっているので主観的な有害事象の報告に影響を与えている可能性がありそうです。

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背景

ELEVATE-RR試験により、 前治療歴のあるCLL患者において、 アカラブルチニブはイブルチニブに対して無増悪生存期間 (PFS) が非劣性であり、 主要な有害事象 (AE) の発生率が低いことが示された。

研究デザイン

対象

  • 治療歴のあるCLL患者529例
  • アカラブルチニブ群:266例
  • イブルチニブ群:263例

方法

ELEVATE-RR試験の事後解析により、 一般的なAEおよび臨床的に重要と考えられる有害事象 (ECI) について全体および曝露調整後の発生率を評価した。 AEおよび選択されたECIについて、 以前に発表された方法論に基づいてAE burdenスコアを算出した。

研究結果

一般的なAE

任意のグレードの下痢、 関節痛、 尿路感染、 背部痛、 筋痙攣、 および消化不良の発生率はイブルチニブ群で高く、 曝露調整後の発現率は1.5~4.1倍であった。 頭痛と咳嗽の発現率はアカラブルチニブ群の方が高く、 暴露調整後の発生率はそれぞれ1.6倍と1.2倍であった。

ECI

グレードを問わない心房細動/心房粗動、 高血圧、 出血の発生率はイブルチニブ群で高く、 曝露調整後の発生率もそれぞれ2.0倍、 2.8倍、 1.6倍であった。

心臓関連イベント全体および感染症の発生率

両群間で同程度だった

AEによる投与中止率

アカラブルチニブ群の方が低かった。

HR 0.62、 95%CI 0.41-0.93

AE burdenスコア

イブルチニブ群において、 全体的にも、 心房細動/心房粗動、 高血圧、 出血のECIでも、いずれも高かった。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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