肥満症薬セマグルチドが薬価収載-適応外使用への注意喚起も
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12ヶ月前

肥満症薬セマグルチドが薬価収載-適応外使用への注意喚起も

肥満症薬セマグルチドが薬価収載-適応外使用への注意喚起も
ノボ ノルディスク ファーマは11月22日、 GLP-1受容体作動薬セマグルチドについて、 肥満症を効能または効果として薬価基準に収載されたと発表した。 

健康障害を有するBMI27以上の肥満症が適応

日本肥満学会策定 「肥満症治療薬の安全・適正使用に関するステートメント」 によれば、 同薬の適応症は、 高血圧、 脂質異常症またはⅡ型糖尿病のいずれかを有し、 食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られない肥満症、 かつ以下のいずれかに該当する場合に限られる。

  • BMIが27kg/m²以上であり、 2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する
肥満に関連する健康障害 : 耐糖能障害、 脂質異常症、 高血圧、 高尿酸血症・痛風、 冠動脈疾患、 脳梗塞・一過性脳虚血発作、 非アルコール性脂肪性肝疾患、 月経異常・女性不妊、 閉塞性睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群、 運動器疾患 (変形性関節症 : 膝関節・股関節・手指関節、 変形性脊椎症) 、 肥満関連腎臓病
  • BMIが35kg/m²以上

すなわち、 健康障害を伴わない 「肥満」 に用いるべきではない。

過剰な体重減やメンタルヘルスの変化に注意が必要

GLP-1受容体作動薬の重大な副作用としては、 低血糖、 急性膵炎、 胆囊炎、 胆管炎、 胆汁うっ滞性黄疸が報告されている。 また、 特定の背景を有する患者への処方の注意としては、 高齢者における過剰な体重減少、 および高度肥満症におけるメンタルヘルスの変化が言及され、 特に自殺企図や自殺念慮を有する、 または既往のある患者には注意が必要としている。

なお、 甲状腺髄様癌の既往がある患者や、 同疾患または多発性内分泌腫瘍症Ⅱ型の家族歴を有する患者に対する同薬の安全性は確立していない。

適応外使用の影響続く~厚労省が最適使用推進ガイドライン公開

同薬では美容・痩身などを目的にした需要の増加によって自由診療での処方が頻発し、 限定出荷が生じている。 この現状に鑑み、 厚生労働省は11月21日にセマグルチドの最適使用推進ガイドラインを公開した。 

同ガイドラインは独立行政法人医薬品医療機器総合機構 (PMDA) 、 日本肥満学会、 日本肥満症治療学会、 日本糖尿病学会、 日本循環器学会、 日本内科学会の協力の元で作成され、 内容を十分理解した上での使用を求めている。


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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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