海外ジャーナルクラブ
7ヶ月前

Loombaらは、 代謝機能障害関連脂肪肝炎 (MASH) で線維化を有する患者を対象に、 DGAT2*アンチセンス阻害薬ION224の有効性および安全性を海外多施設共同第Ⅱ相二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験で検討した。 その結果、 ION224は組織学的改善達成率を有意に改善し、 安全性は良好であった。 本研究はLancet誌において発表された。
治療期間が1年間に限られており長期アウトカムが不明な点、 本研究は非肝硬変患者が対象でありMASH代償性肝硬変患者への安全性・有効性は評価されていない点がlimitatonとなります。
ION224は、 DGAT2アンチセンス阻害薬であり、 MASHにおける脂質毒性および基礎となる炎症、 肝細胞障害、 線維化に関連する重要な代謝経路であるデノボ脂質生合成を抑制する。
そこで本研究では、 MASHおよび線維症患者におけるION224の安全性および有効性を評価した。
米国およびプエルトリコの43の臨床施設において、 2部構成の第Ⅱ相二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験が実施された。
MASHでステージF1、 F2、 F3の線維化を有し、 ベースラインの肝脂肪症が10%以上で18~75歳の患者160例が、 第1部ではION224 60mg、 90mg、 120mg、 プラセボを月1回皮下投与される群に1 : 1 : 1 : 1で無作為に割り付けられた。 第2部では、 安全性と有効性 (肝脂肪症) に関する事前に指定された中間解析の後、 ION224 90mg群および120mg群、 またはプラセボ群に2 : 1で無作為に割り付けられた。
主要評価項目は、 51週時で非アルコール性脂肪性肝疾患活動性スコア (NAS) が2ポイント以上減少し、 肝細胞バルーニング (風船様変性) または小葉性炎症が1ポイント以上改善し、 かつ線維化の悪化がないことであった。
主解析は、 治療薬の13回の投与のうち少なくとも10回を連続3回欠かさず投与され、 治療終了時に最終肝生検を完了した患者を含む事前に定義されたプロトコル準拠集団で実施された。
2021年6月8日~22年12月27日に、 160例がION224 60mg群23例、 90mg群45例、 120mg群46例、 プラセボ群46例に無作為に割り付けられ、 そのうち123例がプロトコル順守集団に含まれた。
主要評価項目の組織学的改善達成率は、 ION224 90mg群で46% (予測リスク46.2% [95%CI 30.5-61.8%]、 リスク差 27.4% [同6.7-48.1%]、 p=0.0094)、 ION224 120mg群では59% (58.8% [95%CI 42.3-75.4%]、 リスク差 40.1% [同18.7-61.4%]、 p=0.0002) であり、 プラセボ群の19% (予測リスク 18.7% [95%CI 5.2-32.3%]) と比べて有意に改善した。
ION224投与群の安全性・忍容性は良好であった。 有害事象 (AE) はION224投与群の94%、 プラセボ群の89%で報告された。 死亡および治療関連の重篤なAEは認められなかった。
著者らは 「本研究は、 ION224によるDGAT2アンチセンス阻害がMASH治療において安全かつ有効な戦略となる可能性を示す初の臨床的エビデンスを提示した。 観察された組織学的改善は体重変化とは独立しており、 GLP-1ベースの治療など他の治療法との併用の可能性が示唆された」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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