海外ジャーナルクラブ
12ヶ月前
Adhikariらは、 COVID-19による入院患者を対象に、 ビタミンC投与が転帰を改善するかどうかを2件の調和型無作為化比較試験で検討した。 その結果、 COVID-19による入院患者へのビタミンCの投与が呼吸循環補助療法離脱日数や生存退院を改善する可能性は低いことが示された。 本研究は、 JAMA誌において発表された。
敗血症ガイドラインにおいても敗血症患者にビタミンCの投与を行わないことを弱く推奨する、 となっていますのでそれと合致する結果と言えます。
COVID-19の入院患者におけるビタミンCの有効性はこれまで不明である。
集中治療室 (ICU) で呼吸循環補助療法を受けている重症患者および非重症患者
患者は以下の群に無作為に割り付けた。
呼吸循環補助療法離脱日数 (ICUで最長21日間呼吸循環補助療法離脱で生存と定義) と生存退院の複合
本試験は、 有害性と無益性が統計学的基準を満たした時点で、 登録が打ち切られた。
主要アウトカムが得られたのは重症患者:1,568例
非重症患者1,022例
重症患者の呼吸循環補助療法離脱日数中央値
補正後比例OR:0.88 (95%CI 0.73-1.06)
事後確率
非重症患者の心肺支持療法離脱日数中央値
補正後比例OR:0.80 (95%CI 0.60-1.01)
事後確率
重症患者の生存退院率
補正後OR:0.92 (95%CrI 0.73-1.17)
有効性の事後確率:24.0%
非重症患者の生存退院率
補正後OR:0.86 (95%CI 0.61-1.17)
有効性の事後確率:17.8%
COVID-19の入院患者において、 ビタミンCの静脈投与が呼吸循環補助療法離脱日数および生存退院率を改善する確率が低いことが示された。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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