【JAMA】COVID-19入院患者、ビタミンCで転帰改善せず
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海外ジャーナルクラブ

12ヶ月前

【JAMA】COVID-19入院患者、ビタミンCで転帰改善せず

【JAMA】COVID-19入院患者、ビタミンCで転帰改善せず
Adhikariらは、 COVID-19による入院患者を対象に、 ビタミンC投与が転帰を改善するかどうかを2件の調和型無作為化比較試験で検討した。 その結果、 COVID-19による入院患者へのビタミンCの投与が呼吸循環補助療法離脱日数や生存退院を改善する可能性は低いことが示された。 本研究は、 JAMA誌において発表された。 

📘原著論文

Intravenous Vitamin C for Patients Hospitalized With COVID-19: Two Harmonized Randomized Clinical Trials. JAMA. 2023 Nov 14;330(18):1745-1759. PMID: 37877585

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

敗血症ガイドラインにおいても敗血症患者にビタミンCの投与を行わないことを弱く推奨する、 となっていますのでそれと合致する結果と言えます。

🔢関連コンテンツ

4C mortalityスコア

COVID-19入院患者の予後予測スコア

背景

COVID-19の入院患者におけるビタミンCの有効性はこれまで不明である。

研究デザイン

対象

集中治療室 (ICU) で呼吸循環補助療法を受けている重症患者および非重症患者

介入

患者は以下の群に無作為に割り付けた。

  • ビタミンC群:ビタミンCを静脈内投与
  • 対照群:プラセボを静脈内投与

主要評価項目

呼吸循環補助療法離脱日数 (ICUで最長21日間呼吸循環補助療法離脱で生存と定義) と生存退院の複合

研究結果

本試験は、 有害性と無益性が統計学的基準を満たした時点で、 登録が打ち切られた。

解析対象

主要アウトカムが得られたのは重症患者:1,568例

  • ビタミンC群:1,037例
  • 対照群:531例

非重症患者1,022例

  • ビタミンC群:456例
  • 対照群:566例

呼吸循環補助療法離脱日数中央値

重症患者の呼吸循環補助療法離脱日数中央値

  • ビタミンC群:7日 (IQR:-1-17)
  • 対照群:10日 (IQR:-1-17)
補正後比例OR:0.88 (95%CI 0.73-1.06) 

事後確率

  • 有効性:8.6%
  • 有害性:91.4%
  • 無益性:99.9%

非重症患者の心肺支持療法離脱日数中央値

  • ビタミンC群:22日
  • 対照群:22日
補正後比例OR:0.80 (95%CI 0.60-1.01) 

事後確率

  • 有効性:2.9%
  • 有害性:97.1%
  • 無益性:99.9%以上

生存退院率

重症患者の生存退院率

  • ビタミンC群:61.9%
  • 対照群:64.6%
補正後OR:0.92 (95%CrI 0.73-1.17)
有効性の事後確率:24.0% 

非重症患者の生存退院率

  • ビタミンC群:85.1%
  • 対照群:86.6%
補正後OR:0.86 (95%CI 0.61-1.17) 
有効性の事後確率:17.8%

結論

COVID-19の入院患者において、 ビタミンCの静脈投与が呼吸循環補助療法離脱日数および生存退院率を改善する確率が低いことが示された。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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