【NEJM】切除可能胃癌、 術前CRTの追加で予後改善せず : TOPGEAR
著者

海外ジャーナルクラブ

14日前

【NEJM】切除可能胃癌、 術前CRTの追加で予後改善せず : TOPGEAR

【NEJM】切除可能胃癌、 術前CRTの追加で予後改善せず : TOPGEAR
Leongらは、 切除可能な胃癌患者を対象に、 周術期化学療法に術前化学放射線療法(CRT)を追加した際の有効性を国際共同第Ⅲ相試験TOPGEARで検討した。 その結果、 周術期化学療法に術前CRTを追加しても、 周術期化学療法単独と比較して全生存期間 (OS)、 無増悪生存期間 (PFS) が延長しないことが示された。 本研究は、 NEJM誌にて発表された。 

📘原著論文

Preoperative Chemoradiotherapy for Resectable Gastric Cancer. N Engl J Med. 2024 Nov 14;391(19):1810-1821. PMID: 39282905.

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

ECF (またはECX) とFLOTの両方を周術期化学療法に組み入れたことで、 個別に検討した各化学療法サブグループにおける結論のlimitationとなった可能性が考えられます。

🔢関連コンテンツ

【消化器】ESMO 2024の注目演題を解説

TOPGEAR、 KEYNOTE-811、 Moonlight、 DESTINY-Gastric0

背景

術前CRTの上乗せ効果のデータは限定的

欧米諸国では、 切除可能胃癌の標準治療として周術期化学療法が行われている。 しかし、 術前CRTの追加は治療効果を向上させるかどうかについて、 周術期化学療法単独と比較したデータは限定的である。

研究デザイン

術前CRT併用群と周術期化学療法単独群を比較

切除可能な胃腺癌または食道胃接合部腺癌の患者574例が、 以下の群に無作為に割り付けられた。

  • 周術期化学療法+術前CRT群 (術前CRT群) : 286例
ECF (エピルビシン+シスプラチン+フルオロウラシル) 療法,またはFLOT (フルオロウラシル+ロイコボリン+オキサリプラチン+ドセタキセル) 療法を術前・術後に実施し、 術前化学放射線療法として45 Gy/25分割照射+フルオロウラシル静注を行った。
  • 周術期化学療法群 (対照群) : 288例
ECF (エピルビシン+シスプラチン+フルオロウラシル) 療法,またはFLOT (フルオロウラシル+ロイコボリン+オキサリプラチン+ドセタキセル) 療法を術前・術後に実施した。

OS、 PFS、 pCRなどの転帰を評価

主要評価項目はOS、 副次評価項目はPFS、 病理学的完全奏効 (pCR)、 毒性、 QOLに設定された。

結果

OS、 PFSは両群間で有意差なし

追跡期間中央値67ヵ月の時点で、 OSおよびPFSに有意差は認められなかった。

OS中央値は術前CRT群で46ヵ月、 対照群で49ヵ月だった (HR 1.05、 95%CI 0.83~1.31)。 PFS中央値は術前CRT群で31ヵ月、 対照群で32ヵ月だった。

pCRは術前CRT群で高い

pCRは術前CRT群で17%、 対照群で8%であり、 術前CRT群で高かった。

毒性は両群間で同程度

治療関連の毒性は両群間で同程度であった。


※X (旧Twitter) の利用規約に基づき、 サブライセンスが認められている埋め込み形式でポストを紹介しています。 掲載停止のご希望がある場合は、 XのHOKUTO公式アカウント (@HOKUTOmed) までDMでご連絡をお願いします。

ポストのGif画像
【NEJM】切除可能胃癌、 術前CRTの追加で予後改善せず : TOPGEARの全コンテンツはアプリからご利用いただけます。
臨床支援アプリHOKUTOをダウンロードしてご覧ください。
今すぐ無料ダウンロード!
こちらの記事の監修医師
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
QRコードから
アプリを
ダウンロード!
【NEJM】切除可能胃癌、 術前CRTの追加で予後改善せず : TOPGEAR