海外ジャーナルクラブ
1年前
Davidらは、 関節リウマチ (RA) の患者を対象に、 バリシチニブによる体積骨密度 (vBMD)、 骨微細構造、 骨びらんの修復などに及ぼす効果を前向き単群非盲検単施設第Ⅳ相試験で検討。 その結果、 RA患者の骨状況はバリシチニブにより改善し、 海綿骨量の増加とバイオメカニクス特性の改善が示された。 本研究はArthritis Rheumatol誌において発表された。
N=30でCT/MRIで評価、 この研究デザインは多くの大学などで参考になると思います。 リサーチクエスチョンが面白ければN数が少なくても本邦が得意な画像診断などで大きな価値を生み出せると思います。
バリシチニブ
RAは、 びらん性関節損傷、 骨量およびバイオメカニクスの悪化を特徴とする。 前臨床試験ではヤヌスキナーゼ阻害 (JAKi) の骨特性に対する有益な効果が示唆されているが、 臨床データはこれまでほとんどない。
病理学的骨状態を有し、 JAKiの臨床的適応を有する関節リウマチ患者:30例
52週間にわたりバリシチニブ (4mg/日) を投与
バリシチニブは疾患活動性 (DAS28-ESR:4.82±0.90→2.71±0.83) と滑膜炎症 [RAMRIS滑膜炎スコア:5.3 (4.2) →2.7 (3.5) ] を有意に改善した。
海綿体vBMDは、 平均6.11mgHA/mm³ (95%CI 0.01-12.26) の変化で有意な改善が観察された。
生体力学的特性も改善し、 ベースラインからの推定剛性の平均変化は2.28kN/mm (95%CI 0.30-4.25)、 推定破壊荷重は98.8ニュートン (95%CI 15.9-181.7) であった。
中手関節のびらんの数と大きさは安定していた。
バリシチニブ治療による新たな安全性シグナルは認められなかった。
RA患者の骨はバリシチニブ治療により改善し、 海綿骨量の増加とバイオメカニクス特性の改善が示された。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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