【Arthritis Rheumatol】バリシチニブでRAの海綿骨量とバイオメカニクス特性が改善
著者

海外ジャーナルクラブ

1年前

【Arthritis Rheumatol】バリシチニブでRAの海綿骨量とバイオメカニクス特性が改善

【Arthritis Rheumatol】バリシチニブでRAの海綿骨量とバイオメカニクス特性が改善
Davidらは、 関節リウマチ (RA) の患者を対象に、 バリシチニブによる体積骨密度 (vBMD)、 骨微細構造、 骨びらんの修復などに及ぼす効果を前向き単群非盲検単施設第Ⅳ相試験で検討。 その結果、 RA患者の骨状況はバリシチニブにより改善し、 海綿骨量の増加とバイオメカニクス特性の改善が示された。 本研究はArthritis Rheumatol誌において発表された。

📘原著論文

Baricitinib improves bone properties and biomechanics in patients with rheumatoid arthritis - results of the prospective interventional BARE BONE trial. Arthritis Rheumatol. 2023 May 25. PMID: 37229650

👨‍⚕️監修医師のコメント

N=30でCT/MRIで評価、 この研究デザインは多くの大学などで参考になると思います。 リサーチクエスチョンが面白ければN数が少なくても本邦が得意な画像診断などで大きな価値を生み出せると思います。

🔢関連コンテンツ

バリシチニブ

オルミエント錠4mg
オルミエント錠2mg

関節リウマチ分類基準 (2010)

ACR/EULAR RA分類基準 (2010)

CDAI (関節リウマチ)

関節リウマチの疾患活動性評価

SDAI (関節リウマチ)

関節リウマチの疾患活動性評価

DAS28-CRP

関節リウマチの活動性評価法

DAS28-ESR

関節リウマチの活動性評価法

背景

RAは、 びらん性関節損傷、 骨量およびバイオメカニクスの悪化を特徴とする。 前臨床試験ではヤヌスキナーゼ阻害 (JAKi) の骨特性に対する有益な効果が示唆されているが、 臨床データはこれまでほとんどない。

研究デザイン

対象

病理学的骨状態を有し、 JAKiの臨床的適応を有する関節リウマチ患者:30例

介入

52週間にわたりバリシチニブ (4mg/日) を投与

骨特性と滑膜炎症を評価するため、 ベースライン時、 24週目、 52週目に高解像度CTスキャンと磁気共鳴画像法 (MRI) が実施された。

研究結果

疾患活動性と滑膜炎症

バリシチニブは疾患活動性 (DAS28-ESR:4.82±0.90→2.71±0.83) と滑膜炎症 [RAMRIS滑膜炎スコア:5.3 (4.2) →2.7 (3.5) ] を有意に改善した。

海綿体vBMD

海綿体vBMDは、 平均6.11mgHA/mm³ (95%CI 0.01-12.26) の変化で有意な改善が観察された。

生体力学的特性

生体力学的特性も改善し、 ベースラインからの推定剛性の平均変化は2.28kN/mm (95%CI 0.30-4.25)、 推定破壊荷重は98.8ニュートン (95%CI 15.9-181.7) であった。

中手関節のびらんの数と大きさ

中手関節のびらんの数と大きさは安定していた。

安全性シグナル

バリシチニブ治療による新たな安全性シグナルは認められなかった。

結論

RA患者の骨はバリシチニブ治療により改善し、 海綿骨量の増加とバイオメカニクス特性の改善が示された。

こちらの記事の監修医師
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
QRコードから
アプリを
ダウンロード!
HOKUTOのロゴ
HOKUTOのロゴ
今すぐ無料ダウンロード!
様々な分野の医師
様々な分野の医師
【Arthritis Rheumatol】バリシチニブでRAの海綿骨量とバイオメカニクス特性が改善