スチル病にアナキンラ、 2週でACR30反応87.5% : 国内第Ⅲ相で実証
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HOKUTO編集部

9日前

スチル病にアナキンラ、 2週でACR30反応87.5% : 国内第Ⅲ相で実証

スチル病にアナキンラ、 2週でACR30反応87.5% : 国内第Ⅲ相で実証
全身型若年性特発性関節炎 (sJIA) および成人発症スチル病 (AOSD) 患者を対象に、 IL-1阻害薬anakinraの有効性および安全性を評価した国内多施設共同第Ⅲ相プラセボ対照試験の54週間にわたるコア期 (無作為化二重盲検期2週+非盲検期52週) の結果、 主要評価項目である2週時の発熱を伴わないACR30反応率はanakinra群で87.5%と高率であり、 プラセボ群と比べて改善を認めた。 また、 54週時まで多くの患者が発熱・発疹の消失、 発熱を伴わないACR反応達成を維持し、 新たな安全性シグナルは検出されなかった。 東京科学大学国際医工共創研究院生涯免疫医療実装講座教授/聖マリアンナ医科大学リウマチ・膠原病・アレルギー内科教授の森雅亮氏が発表した。 

背景

学会の開発要望を背景にanakinraの国内第Ⅲ相試験を実施

スチル病 (sJIAおよびAOSD) は稀な全身性疾患であり、 その病態生理は完全には解明されていないものの、 自己炎症性の性質を有すると考えられている。 治療には、 非ステロイド性抗炎症薬 (NSAIDs)、 グルココルチコイド (GC)、 メトトレキサート、 IL-1阻害薬*、 IL-6阻害薬が主に用いられている。

IL-1阻害薬のanakinraは、 I型IL-1受容体へのIL-1αおよびIL-1βの結合を競合的に阻害することで、 IL-1誘導性の炎症を制御する。 2016年に、 日本リウマチ学会および日本小児リウマチ学会による開発要望が厚生労働省に提出され、 医療上の必要性が高いと判断されて第Ⅲ相試験が実施された。

*日本、 米国、 カナダでは長時間作用型IL-1阻害薬カナキヌマブが、 欧州ではanakinraおよびカナキヌマブが承認されている

試験の概要

対象は日本人のsJIAおよびAOSD患者

本試験は、 日本人のsJIAおよびAOSD患者を対象とした国内第Ⅲ相試験であり、 2週間の無作為化二重盲検期 (プラセボ対照) +52週間の非盲検期からなる54週間のコア期と、 26週間の継続期または4週間の安全性追跡調査で構成された。

無作為化二重盲検期において、 15例が以下の2群に無作為に割り付けられた。

  • anakinra群 : 8例

anakinraを1日1回皮下注

  • プラセボ群 : 7例

その後、 14例が非盲検期 (anakinraを引き続き投与) に移行し、 9例がコア期を完了した。

主要評価項目は2週時における発熱を伴わないACR30反応

主要評価項目は2週時における評価前7日間で疾患に起因する発熱を伴わないACR30反応**、 副次評価項目はACR50/70/90反応、 疾患活動性、 安全性などであった。

今回は、 同試験における54週時 (コア期) の有効性および安全性追跡調査の4週間を含めた58週時の安全性の結果が報告された。

**ACRコアセット6項目のうち3項目以上で、 ベースラインから30%以上の改善が認められ、 30%を超える増悪が認められる項目が1項目以下であることと定義

試験の結果

2週時の発熱を伴わないACR30反応率は87.5%で有意に改善

対象患者の内訳は、 sJIA患者が5例 (anakinra群 4例、 プラセボ群 1例)、 AOSD患者が10例 (anakinra群 4例、 プラセボ群 6例) であった。 組み入れ時にGCの全身投与を受けていた患者は8例 (53.3%、 anakinra群 4例、 プラセボ群 4例) であった。

主要評価項目である2週時の発熱を伴わないACR30反応率は、 anakinra群が87.5% (7例) であり、 プラセボ群の14.3% (1例) と比べて有意な改善が認められた (群間差 73.2%㌽ [90%CI 29.3-94.8%㌽]、 p=0.009)。

1週時から有効性評価項目の改善を確認

1週時における発熱を伴わないACR30反応率 (群間差 73.2%㌽ [90%CI 29.3-94.8%㌽])、 ACR50反応率 (群間差 73.2%㌽ [90%CI 29.3-94.8%㌽])、 ACR70反応率 (群間差 62.5%㌽ [90%CI 22.4-88.9%㌽])、 発疹がない患者の割合 (群間差 73.2%㌽ [90%CI 29.3-94.8%㌽]) において、 anakinra群はプラセボ群と比べて改善を示した。

また、 発熱がない患者の割合 (群間差 44.6%㌽ [90%CI -2.1-78.1%㌽]) においてもanakinra群で数値的な改善が示された。

54週時まで多くが発熱・発疹の消失等維持

anakinraを投与された患者 (2週時以降の非盲検期から投与された患者も含む) の多くは、 54週時まで発熱・発疹の消失を維持した。 また、 発熱を伴わないACR30/50/70/90反応率も54週時まで高率で維持した。

またコア期を完了した9例 (anakinra群 5例、 プラセボ群 4例) において、 54週時までのほぼ全ての評価時点で発熱を伴わないACR90反応の達成を認めた。

4週時に85.7%がGC漸減を開始

4週時に患者7例中6例 (85.7%) がGC漸減を開始した。 このうち3例は2週時に漸減を開始していた。

治療開始からGC漸減開始までの中央値は22.0日 (範囲 15.0-29.0日) であった。 54週時には4例中3例が漸減を継続し、 1例がGCを離脱した。

新たな安全性シグナルは検出されず

54週時までの安全性プロファイルは既報と一致し、 新たな安全性シグナルは検出されなかった。 最も頻度が高い有害事象は注射部位反応 (73.3%) であった。 治療中に発現した重篤な有害事象が6例7件で報告されたが、 いずれも治療薬との関連なしと判断された。

結論

国内第Ⅲ相でsJIA・AOSDへのanakinraの有効性が実証

森氏は 「sJIAおよびAOSD患者を対象とした第Ⅲ相試験の結果、 anakinraにより主要評価項目である2週時の発熱を伴わないACR30反応率において有意な改善が認められ、 その有効性が実証された。 54週時まで多くの患者が発熱・発疹の消失、 発熱を伴わないACR反応達成を維持し、 新たな安全性シグナルは検出されなかった」 と報告した。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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