西日本がん研究機構(WJOG)
2ヶ月前

西日本がん研究機構 (WJOG) 乳腺グループの若手会「BRIGHT*」は、 2019年2月23に発足しました。 毎年春頃に新規メンバーを公募しており、 メンバーは年々増え続け、 現在は全国の施設に所属する腫瘍内科医、 乳腺外科医を中心に計27人で構成されています。 今回は、 BRIGHTのメンバーである伏見淳先生と酒井瞳先生に、 その活動と魅力についてご寄稿いただきました。
臨床試験はがんの患者さんの"希望"です。 がんの新治療も、 より良い副作用マネジメントも、 臨床試験を通して生まれます。 そのプロセスにPI(principal investigator)として参加できることは、 代えがたい経験です。 私がPIを務めたERICA試験(WJOG14320B)は、 トラスツズマブ デルクステカンの治療を受ける乳がんの患者さんを対象とした吐き気・嘔吐の予防を検討した試験です。 患者さんを中心に、 医師、 薬剤師、 CRC、 研究事務など多職種が連携し、 WJOGデータセンターと製薬企業である第一三共の支援を得ながら実施しました。
臨床試験の準備と実施の過程には様々な困難が伴います。 しかしその一方で、 患者さんや仲間への感謝の気持ち、 使命感、 学問的探究心を満たされる感覚といった今までの人生で感じたことのない熱い感情を経験しました。

ERICA試験の結果は2024年の欧州臨床腫瘍学会 (ESMO 2024)で発表し、 Annals of Oncology誌に同時掲載されました。
Ann Oncol. 2025 Jan;36(1):31-42.
結果が多くの方に認知され、 日常診療に活かされていることを大変うれしく思います。 結果の公表後、 日本国内外の先生方と乳がんの治療と副作用マネジメントについてディスカッションをする機会が増えたことも、 ありがたく思っています。 まだまだ解決すべき課題が多くあることを改めて実感しています。
最後に、 WJOG乳腺グループの先輩医師や同世代の仲間との出会いに心から感謝しています。
WJOG乳腺グループ若手会 「BRIGHT」 の魅力は、 仲間と一緒に挑戦し、 成長できることにあります。 乳がん治療は免疫チェックポイント阻害薬やADCの登場で大きく進歩し、 臨床研究のテーマも広がっています。 その最前線で若手が自ら臨床試験を立ち上げ、 エビデンスを発信できるのは非常に刺激的です。
WJOG乳腺グループ・BRIGHTでは、 月1回のオンラインでのBRIGHTミーティングと、 乳腺グループのアドバイザー会議があります。 ここで外科・腫瘍内科の若手からベテランまでが率直に意見を交わし、 研究のアイデアを形にして、 臨床試験を実施しています。 年2回ほどのグループ会議ではオンサイトで集まり、 直接交流を深めながらディスカッションを重ねていることも特徴です。 画面越しとはまた違う一体感があり、 会議後の雑談や懇親の時間から新しいプロジェクトが始まることも少なくありません。

BRIGHTで得られるのは研究のスキルや成果だけでなく、 同世代の仲間と一緒に切磋琢磨し、 アドバイザーの先生方から直接ご指導を受けられる環境そのものが、 自分の診療やキャリアを支えてくれると感じています。 臨床研究に挑戦したい、 仲間と共に成長したい、 そんな思いを持つ若手にとってBRIGHTは最適な場だと思います。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。