海外ジャーナルクラブ
1年前
Ju-Eunらは、 進行性の乳癌患者を対象に、 プロトンポンプ阻害薬(PPI)とCDK4/6阻害薬パルボシクリブの併用について後ろ向きコホート研究で検討。 その結果、 PPIとパルボシクリブの併用がパルボシクリブの完全な治療効果を阻害する可能性が示唆された。 本研究はJAMA Netw Open誌において発表された。
仮説を提唱しています。 abstractにはそれを証明するようにsuggestとmayを使った弱い表現となっています。 These findings suggest that concomitant use of PPIs with palbociclib may hinder the complete therapeutic benefits of palbociclib in patients with breast cancer.
パルボシクリブ
PPIは消化管症状を緩和するために一般的に使用される薬剤であるが、 その酸阻害作用は経口投与される併用薬の生物学的利用能や臨床成績に悪影響を及ぼす。
パルボシクリブの投与を受けた乳癌患者
PPIとパルボシクリブの併用。
無増悪生存期間 (PFS) と全生存期間 (OS)
PPI併用群の臨床的PFS中央値はPPI非併用群より短かった(P<0.001)。
OSについてもPPI併用群において短かった。
PPI併用群の臨床的PFSとOSは、 ホルモン感受性および抵抗性治療を受けている患者において一貫して不良であった。
乳癌患者においてPPIとパルボシクリブの併用がパルボシクリブの完全な治療効果を阻害する可能性を示唆している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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