海外ジャーナルクラブ
29日前

Matinoらは、 インヒビター保有血友病A/B患者に対するマルスタシマブの有効性・安全性を、 非盲検・単群第Ⅲ相試験 (BASIS) にて検証した。 その結果、 治療を要した出血の年間出血率 (ABR) は、 マルスタシマブ投与前の観察期では推定平均19.78であったのに対し、 マルスタシマブによる積極治療期には1.39と、 有意に低下した (ABR比0.07 [95%CI 0.042-0.118、 両側p<0.0001])。 有害事象は大部分が軽度であり、 血栓塞栓イベントは認められなかった。 試験結果はBlood誌に発表された。
サンプルサイズが小さく追跡期間も短いため、 有効性や安全性の長期評価には限界があります。
マルスタシマブは、 組織因子経路インヒビター (TFPI) 阻害モノクローナル抗体であり、 インヒビターを有さない血友病A/B患者への予防投与として適応を得ている。
本研究では、 インヒビターを有する患者での有効性・安全性を検証した。
本研究は、 12歳以上75歳未満でインヒビターを有する重症血友病Aまたは中等症~重症血友病B男性患者を対象とした、 非盲検・単群第Ⅲ相試験 (BASIS) である。 患者は、 6ヵ月間の観察期にてバイパス製剤投与 (必要時投与または定期予防投与) 後、 マルスタシマブ固定用量を週1回皮下投与する12ヵ月間の積極治療期に移行した。
主要評価項目は、 治療を要した出血の年間出血率 (ABR) および安全性とした。
観察期にインヒビターを有していた60例のうち、 51例がマルスタシマブ投与を受けた。
バイパス製剤必要時投与群48例では、 観察期に比べて積極治療期ではABRが有意に低下し、 血友病の種類別でも一貫していた。 患者からは健康関連QOLの改善が報告された。
ABR推定平均
ABR比0.07
(95%CI 0.042-0.118、 両側p<0.0001)
血友病種類別ABR比
有害事象は高頻度も、 大部分は軽度であり、 投与中止は1例 (治療関連のグレード3皮疹) であった。 抗薬物抗体は19.6%に検出されたが、 有効性・安全性には影響がなかった。
著者らは、 「マルスタシマブは、 インヒビター保有患者において出血率の低下と許容可能な安全性プロファイルを示し、 血栓塞栓イベントは認められなかったことから、 インヒビター保有血友病A/B患者への有望な治療選択肢となり得る」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。