【J Affect Disord】抗精神病薬の使用で認知症リスクが増加
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海外ジャーナルクラブ

8ヶ月前

【J Affect Disord】抗精神病薬の使用で認知症リスクが増加

【J Affect Disord】抗精神病薬の使用で認知症リスクが増加
Ma氏らは、 英国バイオバンクの参加者を対象に、 抗精神病薬 (AP) の使用と認知症リスクとの関係について、 プロスペクティブコホート研究を用いて調査した。 その結果、 抗精神病薬の使用による認知症発症リスクの増加が示された。 本研究はJ Affect Disord誌において発表された。

📘原著論文

Associations between antipsychotics exposure and dementia risk: A prospective cohort study of 415,100 participants. J Affect Disord. 2024 Mar 15:349:201-209. PMID: 38199419

👨‍⚕HOKUTO監修医コメント

本研究は実臨床がどういうものかを考えさせられる研究です。 抗精神病薬としての治療効果が将来の認知症リスクよりも上回れば今後も使用されると思います。 抗精神病薬と将来の認知症発症の関連については少なくとも処方医は知っておく必要があります。

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認知症へのAPの影響は?

抗精神病薬は広く処方されている薬剤の1つであり、 認知機能低下を引き起こす可能性が示唆されている。 しかし、 認知症リスクに対する同薬の影響に関する研究は少ない。

対象は41万人超

対象

英国バイオバンク参加者 : 41万5,100例

方法

プロスペクティブコホート研究のデータから多変量Cox比例ハザードモデルを用いて、 抗精神病薬への曝露と認知症リスクに及ぼす影響について分析を行った。 さらに、 経口抗精神病薬の用量反応効果を検討した。

アルツハイマー病リスクは増加せず

フォローアップ調査期間

平均8.64年

全死因性認知症の発症割合

1.3% (5,235例)

うち、 アルツハイマー病 : 0.6% (2,313例)、 血管性認知症 : 0.3% (1,213例)

APと認知症リスク増加との関連

いずれかの抗精神病薬使用により、 全死因性認知症および血管性認知症のリスクは増加したが、 アルツハイマー病リスクの増加は認められなかった。

全死因性認知症のリスク

HR 1.33 (95%CI 1.17-1.51、 p<0.001)

血管性認知症のリスク

HR 1.90 (95%CI 1.51-2.40、 p<0.001)

アルツハイマー病のリスク

HR 1.22 (95%CI 1.00-1.48、 p=0.051)

経口APの累積用量反応関係

経口抗精神病薬と全死因性認知症および血管性認知症のリスクとの間に、 累積用量反応関係が認められた。

p for trend<0.05

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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