海外ジャーナルクラブ
9ヶ月前
Tingsgård氏らは、 非複雑性グラム陰性桿菌菌血症患者を対象に、 初回血液培養後4日以内での抗菌薬投与経路の早期切り替えと、 静注長期化の90日全死亡率の関連について、 コホート研究target trial emulation (TTE) を用いて検討した。 その結果、 90日全死亡リスクは早期移行群と静注継続群で同程度であった。 本研究はJAMA Netw Openにおいて発表された。
本研究では流行りの 「target trial emulation」 に手法で解析されています。 観察研究データを使って、 標的の臨床試験を真似ることにより、 因果推論、 つまり治療効果を評価する手法です。 この手法を用いても、 最も重要な医者の判断は調整しきれていないですし、 結論も弱い表現に留まっています。
グラム陰性桿菌による菌血症は世界的な問題であり、 抗菌薬の静注から経口投与への移行タイミングを最適化することは、 治療の質改善と医療資源の有効利用を改善するうえで重要な一歩である。
コペンハーゲンの医療機関4施設で、 2018年1月1日~2021年12月31日に登録された非複雑性グラム陰性桿菌菌血症の成人患者 : 914例
適格基準は、 血液培養におけるグラム陰性菌増殖の陽性確認、 初回血液培養後4日以内の臨床的安定、 4日目に利用可能な治療感受性データの報告、 血液培養後4時間以内の適切な経験的静注抗菌薬投与の開始などであった。
90日全死亡率
914例
ITT解析に基づく90日全死亡リスク
両群間で同程度であった。
リスク差(RD) -2.5%ポイント (同 -5.7~0.7%ポイント)
リスク比(RR) 0.78 (同 0.60-1.10)
PP解析に基づく90日全死亡リスク
両群間で同程度であった。
RD -0.1%ポイント (同 -3.4~3.1%ポイント)
RR 0.99 (同 0.70~1.40)
非複雑性グラム陰性桿菌菌血症患者において、 初回血液培養から4日以内の抗菌薬の静注から経口投与への早期切り替えによる90日全死亡リスクは、 静注治療の長期化と比較して同程度である。 この結果から、 抗菌薬投与における静注から経口への早期切り替えは、 静注治療の長期化に代わる有効な選択肢となり得る。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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