【Lancet Gastroenterol Hepatol】クローン病、 グセルクマブの導入期+維持期投与が有効
著者

海外ジャーナルクラブ

11ヶ月前

【Lancet Gastroenterol Hepatol】クローン病、 グセルクマブの導入期+維持期投与が有効

【Lancet Gastroenterol Hepatol】クローン病、 グセルクマブの導入期+維持期投与が有効
Daneseらは、 中等度から重度の活動性クローン病患者を対象に、 ヒト型抗ヒトIL-23p19モノクローナル抗体製剤グセルクマブの有効性と安全性を第Ⅱ相二重盲検無作為化比較試験GALAXI-1で検討した。 その結果、 グセルクマブの導入期静脈投与および維持期皮下投与を受けた患者では、 48週時点においても高い臨床的・内視鏡的有効性が確認された。 本研究は、 Lancet Gastroenterol Hepatol誌において発表された。

📘原著論文

Efficacy and safety of 48 weeks of guselkumab for patients with Crohn's disease: maintenance results from the phase 2, randomised, double-blind GALAXI-1 trial. Lancet Gastroenterol Hepatol. 2024 Feb;9(2):133-146. PMID: 38104569

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

GALAXI trial シリーズも複数の研究が進行中であり今後の成果が期待されます。 Galaxyにかけたこの研究グループ名はその研究を運命づける大きな意味合いもちます。

🔢関連コンテンツ

トレムフィア皮下注100mgシリンジ

免疫抑制薬 > ヒト型抗ヒトインターロイキン-23p19 (IL-23p19) モノクローナル抗体

CDAI (クローン病)

クローン病の重症度分類

Crohn病の重症度分類

クローン病の重症度分類

Crohn病の診断基準

診断基準・治療指針 令和3年度改訂版より

IOIBDスコア

クローン病の臨床的活動性指標

背景

中等度から重度の活動性クローン病患者は、 現行の治療法に反応しないか、 または反応性が時間と共に低下する傾向がある。

研究デザイン

対象

中等症から重症の活動性クローン病の成人患者

介入

患者を以下の5群に無作為に割り付けた。

  • グセルクマブ導入期200mg→維持期100mg群 : 61例
0、 4、 8週目にグセルクマブ200mg静脈内投与、 その後8週ごとに100mgを皮下投与
  • グセルクマブ600mg→200mg群 : 63例
0、 4、 8週目にグセルクマブ600mg静脈内投与、 その後4週ごとに200mgを皮下投与
  • グセルクマブ1,200mg→200mg群 : 61例
0、 4、 8週目にグセルクマブ1,200mg静脈内投与、 その後4週ごとに200mgを皮下投与
  • ウステキヌマブ群 : 63例
0週目にウステキヌマブ約6mg/kgを静脈内投与、 その後8週ごとに90mgを皮下投与
  • プラセボ群 : 61例
プラセボ導入後、 12週時点でクローン病活動性指数 (CDAI) による臨床効果が認められた場合はプラセボを維持、 12週時点でCDAIによる臨床効果が認められなかった場合はウステキヌマブを投与

主要評価項目

48週時点のCDAIに基づく臨床的寛解 (CDAI<150)、 内視鏡的奏効 (SES-CDがベースラインから≧50%改善、 またはSES-CD≦2)、 内視鏡的寛解 (SES-CD≦2)

研究結果

有効性評価

48週時点のCDAIに基づく臨床的寛解率

  • グセルクマブ 200mg → 100mg群 : 64%
  • グセルクマブ 600mg → 200mg群 : 73%
  • グセルクマブ1,200mg→200mg群 : 57%
  • ウステキヌマブ群 : 59%

内視鏡的奏効率

  • グセルクマブ 200mg → 100mg群 : 44%
  • グセルクマブ 600mg → 200mg群 : 46%
  • グセルクマブ1,200mg→200mg群 : 44%
  • ウステキヌマブ群 : 30%

内視鏡的寛解率

  • グセルクマブ 200mg → 100mg群 : 18%
  • グセルクマブ 600mg → 200mg群 : 17%
  • グセルクマブ1,200mg→200mg群 : 33%
  • ウステキヌマブ群 : 6%

プラセボ群の解析

  • 12週時点でCDAIに基づく臨床効果が認められプラセボを継続した15例のうち、 60% (9例) が48週時点の臨床的寛解を達成した。 
  • プラセボ群では44例が12週時点でCDAIに基づく臨床効果が得られず、 ウステキヌマブに移行した。

安全性評価

安全性解析集団 (360例) における有害事象率

  • グセルクマブ群  : 74% (353.1/100患者年)
  • ウステキヌマブ群 : 85% (同350.7)
  • プラセボ群    : 66% (同464.9)

最も多く報告された感染症

鼻咽頭炎

  • グセルクマブ群  : 11%
  • ウステキヌマブ群 : 11%

上気道感染症

  • グセルクマブ群  : 6%
  • ウステキヌマブ群 : 7%

重篤な感染症

12週目以降、 プラセボを投与した患者1例、 グセルクマブを投与した患者2例において重篤な感染症が認められた。

結果の解釈

グセルクマブの静脈および皮下投与を受けた患者では、 48週時点においても高い臨床的有効性および内視鏡的有効性が確認された。 安全性に関する新たな懸念は確認されなかった。

ポストのGif画像
【Lancet Gastroenterol Hepatol】クローン病、 グセルクマブの導入期+維持期投与が有効の全コンテンツはアプリからご利用いただけます。
臨床支援アプリHOKUTOをダウンロードしてご覧ください。
今すぐ無料ダウンロード!
こちらの記事の監修医師
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
QRコードから
アプリを
ダウンロード!
【Lancet Gastroenterol Hepatol】クローン病、 グセルクマブの導入期+維持期投与が有効