HOKUTO編集部
1年前

未治療の局所進行または転移性尿路上皮癌 (la/mUC) に対する抗Nectin-4標的抗体薬物複合体エンホルツマブ ベドチン (EV) +抗PD-1抗体ペムブロリズマブ (EV+P) 併用療法の有効性を、 プラチナベースの化学療法 (PBC) を対照に検証した第Ⅲ相国際共同非盲検無作為化比較試験EV-302の最新解析結果より、 追跡期間延長後 (中央値2.5年) も引き続きPFSおよびOSの有意な改善が示された。 英・Barts Cancer CentreのThomas B. Powles氏が発表した。
第Ⅲ相試験EV-302では、 未治療のla/mUCにおいて、 EV+PはPBCと比較し、 追跡期間1.5年における無増悪生存期間 (PFS) および全生存期間 (OS) をほぼ2倍に延長させることが、 2023年の欧州臨床腫瘍学会 (ESMO 2023) で既に報告されている¹⁾。 この結果に基づき、 EV+Pは日本を含む世界各国でla/mUCの1次治療として承認され、 国際的な治療ガイドラインにおいても標準治療として位置付けられている。

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今回、 同試験の追跡期間を1年延長 (中央値2.5年) したPFS、 およびOSのアップデート解析結果と、 探索的評価項目である臨床的完全奏効 (cCR) 率が報告された。
2024年8月をデータカットオフとした全患者のPFS中央値 (mPFS) は、 EV+P群が12.5ヵ月 (95%CI 10.4-16.6ヵ月)で、 化学療法群の6.3ヵ月 (同 6.2-6.5ヵ月)と比較し有意な改善が示された (HR 0.48 [95%CI 0.41-0.57]、 p<0.00001)。
12ヵ月時PFS率と24ヵ月時PFS率は、 EV+P群で順に51.4% / 37.1%、 化学療法群で21.7% / 12.6%だった。
PFSサブグループ解析の結果、 事前に規定された全サブグループにおいて、 EV+P群の化学療法群に対する優位性が一貫して認められた。
さらに全患者のOS中央値 (mOS) は、EV+P群が33.8ヵ月 (95%CI 26.1-39.3ヵ月)で、 化学療法群 (15.9ヵ月 [同 13.6-18.3ヵ月]) と比較し、 死亡リスクをおよそ50%低減することが示された (HR 0.51 [95%CI 0.43-0.61]、 p<0.00001)。
12ヵ月時OS率/24ヵ月時OS率は、 EV+P群で順に77.7% / 60.1%、 化学療法群で61.1% / 35.4%だった。
OSサブグループ解析の結果においても、 事前に規定された全サブグループにおいて、 EV+P群の化学療法群に対する優位性が一貫して認められた。 またOSのベネフィットは、 シスプラチン適格性の有無に関わらず認められた (シスプラチン適格患者 HR 0.54 [95%CI 0.42-0.70]、 シスプラチン非適格患者 HR 0.50 [同 0.39-0.64])。
客観的奏効率 (ORR) は化学療法群 44.2% (95%CI39.5-49.0%)に対し、 EV+P群では67.5% (95%CI 62.9-71.9%)と有意に良好な結果であった (p<0.00001)。
奏効期間の中央値は、 EV+P群 23.3ヵ月 (95%CI 17.8ヵ月-NE)、 化学療法群 7.0ヵ月 (同 6.2-9.0ヵ月)であり、 24ヵ月時に病勢進行 (PD) や死亡イベントのない患者割合はそれぞれ49.4%、 24.0%と、 EV+P群における奏効患者の約半数が24ヵ月後も奏効を維持していた。
cCRの持続時間 (DOCR) の中央値は、 EV+P群 NR (95%CI NE-NE)、 化学療法群 15.2ヵ月 (同 10.3ヵ月-NE)であり、 12ヵ月DOCR率と24ヵ月DOCR率は、 EV+P群で順に84.3% / 74.3%、 化学療法群で60.0% / 43.2%であった。
EV+P群におけるGrade3以上の治療関連AE発現率は57.3%であり、 追跡期間を1年延長しても新たな安全性シグナルは検出されなかった。
Powles氏は 「前治療歴のないla/mUC患において、 追跡期間中央値2.5年経過後もエンホルツマブ ベドチン+ペムブロリズマブ併用療法の優れた有効性は維持され、 新たな安全性シグナルは検出されなかった。 本試験の結果は、 同治療レジメンがla/mUC患者の1次治療における標準治療であることを強く支持するものである」 と報告した。
N Engl J Med. 2024 Mar 7;390(10):875-888.
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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