海外ジャーナルクラブ
1年前
Janjigianらは、 未治療で切除不能なHER2陽性胃・食道胃接合部癌の患者を対象に、 トラスツズマブ+フッ化ピリミジンおよびプラチナ製剤ベースの化学療法にペムブロリズマブを併用する効果を国際第Ⅲ相無作為化比較試験で検討した。 その結果、 ペムブロリズマブの併用は、 特にPD-L1CPSスコアが1以上の腫瘍を有する患者において、 無増悪生存期間 (PFS) を有意に改善した。 本研究は、 Lancet誌において発表された。
初回の中間解析結果がNature, 2、 3回目の中間解析結果がLancet誌にそれぞれ報告されています。 最終解析結果がどうなるのでしょう。 それだけ注目の研究です。
食道癌 (腺癌) の臨床的病期分類 (取扱い規約 第12版)
HER2陽性の胃・食道胃接合部癌において、 PD-1およびHER2遮断薬と化学療法の併用がPFSおよび全生存期間 (OS) に及ぼす有効性に関するエビデンスは乏しい。 KEYNOTE-811の最初の中間解析では、 トラスツズマブ+フッ化ピリミジンおよびプラチナ製剤ベースの化学療法にペムブロリズマブを追加した場合、 プラセボと比較して優れた客観的奏効が示された。
未治療でHER2陽性の進行胃・食道胃接合部癌患者
患者を以下の群に1:1の割合で無作為に割り付けた。
PFS、 OS
2回目の中間解析
追跡期間中央値
PFS中央値
HR 0.72 (95%CI 0.60-0.87、 p=0.0002)
OS中央値
HR 0.87 (95%CI 0.72-1.06、 p=0.084)
3回目の中間解析
追跡期間中央値
PFS中央値
HR 0.73 (95%CI 0.61-0.87)
OS中央値
HR 0.84 (95%CI 0.70-1.01)
Grade3以上の治療関連有害事象の発現
死亡に至った治療関連有害事象の発現
最も多くみられた治療関連有害事象
下痢
悪心
貧血
HER2陽性の胃・食道胃接合部癌の1次治療において、トラスツズマブおよび標準化学療法に対するペムブロリズマブの追加投与は、 特にPD-L1 CPS≧1の患者において、 PFSを有意に改善した。 OSの追跡調査は継続中であり、 最終解析後に報告される予定である。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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